2018年12月13日 13:30 〜 15:30 10階ホール
「人生100年:スウェーデンモデル」ローバック駐日スウェーデン大使/宮本太郎中央大学教授

会見メモ

人生100年:スウェーデンモデル

司会 竹田忠 日本記者クラブ企画委員(NHK)


会見リポート

政府への信頼が支える高税率

 日本記者クラブは6月に北欧に取材団を派遣した。積極的労働市場政策をスウェーデンで取材。竹田忠団長(NHK解説委員)がその成果報告をし、長寿化社会で日本が取り組むべき課題を探る会見となった。

 赤字企業は倒産させ失業者に職業訓練を提供することで成長産業に人材を投入する。いわば「企業は守らず人を守る」雇用政策が積極的労働市場政策だ。スウェーデンの労使はこの点で一致、政府も後押しして経済成長を実現している。

 ただ、新しい課題に直面しているとローバック大使は素直に認める。「人件費が上がり新しく若い人を採用しにくくなっている。どう若い人を労働市場に送るか。もう一つは移民をどう統合させるか。大半が難民だが、脱工業化が進み、就けるような職種が減っている」と言う。

 宮本氏はスウェーデン社会を、働いていても大学に入ったり、失業しても職業訓練で再就職したり、高齢者も社会参加ができるなど社会を行き来できることで活躍の場が広がる「交差点型社会」と説明、日本の将来像を議論するたたき台を示した。

 後半は政策を支える財源である税に対する意識について。宮本氏は国民の66%は税務署を信頼しているとのデータを示し、政府への信頼度が高い理由を大使に聞いた。

 「スウェーデンはかつての農民社会の独立自営意識が強い伝統があり、他人のお金は横領しないという規範意識が国民にある。それに政治家はあまり権力をもっていない。政治的決定権と法律を管理する官僚を切り離す分離主義という知恵があるからだ」と大使は説明した。

 高い税と政府の信頼性を国民はどう考えているのか、取材団も現地で取材し、納税を受け入れ政府への信頼が高いことを実感していたが、その理由が判明した会見であった。


北欧取材団員 東京新聞論説委員  鈴木 穣

ゲスト / Guest

  • マグヌス・ローバック / Nils Magnus Robach

    スウェーデン / Sweden

    駐日スウェーデン大使 / Ambassador to Japan

  • 宮本太郎 / Taro Miyamoto

    日本 / Japan

    中央大学教授 / Professor, Chuo University

研究テーマ:人生100年:スウェーデンモデル

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