会見リポート
2018年01月17日
16:00 〜 17:30
10階ホール
「2018年経済見通し」(3)日銀超緩和策の副作用と2018年の世界経済 加藤出 東短リサーチ社長
会見メモ
会見リポート
緩和修正「18年がラストチャンス」
戸塚 光彦 (読売新聞東京本社経済部 (日銀担当))
日本銀行ウォッチャーの第一人者が強調したのが、日銀が目指す2%の物価上昇率の達成の難しさだ。
物価にはモノとサービスの価格がある。このうちモノの価格は、貿易の拡大やネット通販の発達で、上がりにくくなっている。サービスの価格は、米国では診療代や上下水道料金が10年間で約7割上昇するなど、身近な分野で値上げ続きだが、全体の物価上昇率は2%に届かない。
2%が実現したら日本人にどう映るか。加藤氏は「賃金が上がらないと政治的な反発を招くし、年金生活者は耐えられない」と指摘した。
黒田東彦総裁は2013年、異次元緩和と呼ばれる超低金利政策を始めた。5年間の任期切れを間近にしても、物価目標の達成はほど遠い。
超低金利も続きすぎると、金融機関の経営が厳しくなり、景気に悪影響が出かねない。19年は消費税率の引き上げが予定され、20年は東京五輪関連の需要がなくなる。「18年は長期金利を引き上げるラストチャンスだ」と緩和策の修正を訴えた。
ゲスト / Guest
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加藤出 / Izuru Kato
東短リサーチ代表取締役社長 / Chief Economist, President of the Totan Research Co.,Ltd.
研究テーマ:2018年経済見通し
研究会回数:3