会見リポート
2018年01月19日
13:30 〜 15:00
10階ホール
「2018年経済見通し」(5)2018年労働市場の課題 山田久 日本総研調査部理事
会見メモ
会見リポート
賃金伸び悩みの主因は生産性低迷
梶本 章 (朝日新聞社出身)
アベノミクスで企業の内部留保は過去最高に積み上がった。その一方で労働分配率は下がり続ける。
安倍首相が「賃金の3%引き上げは企業への社会的要請」と訴え、経団連も「従来よりも踏み込んだ処遇改善を」と号令をかけるのも、デフレからの完全脱却を図り、成長を高めるには賃上げが焦点と思い定めているからなのだろう。
それにしても人手不足なのになぜ賃金が上がらないのか。山田氏の見立ては「付加価値生産性の低迷」だ。その原因は①雇用偏重の日本型労使関係②サービス物価の低迷③人口減少に伴う市場縮小観測、だという。その上で欧米型の働き方を目指す政府の改革を評価。チームワークなどを重視する日本型雇用の利点もいかしたハイブリッド型を提案する。
とはいえ日本的な雇用慣行は長い年月をかけて形成された。また、生産性の向上もアベノミクスの主要課題とされながら低迷している。先行きは険しいと感じた。
ゲスト / Guest
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山田久 / Hisashi Yamada
日本総研調査部理事 / The Japan Research Institute, Limited
研究テーマ:2018年経済見通し
研究会回数:5