2018年01月15日 15:00 〜 16:30 10階ホール
「2018年経済見通し」(1) 2018年 アベノミクスでバブル本格化 松村嘉浩氏

会見メモ

「自分がこんな本を書くとは夢にも思わなかった」。世界経済を、イマドキの学生と教授の対話形式でわかりやすく解説した話題の書『なぜ今、私たちは未来をこれほど不安に感じるのか』(ダイヤモンド社)の著者はこう漏らした。「いまは産業革命以上のインパクトをもったデジタル革命の時代にあり、従来の経済学では対応できないという危機感から本を書いた」

思考の転換を促す刺激的な議論は、動画と著書でどうぞ。

『増補版 なぜ今、私たちは未来をこれほど不安に感じるのか? 日本人が知らない本当の世界経済の授業』(ダイヤモンド社) 

 

司会 福本容子 日本記者クラブ企画委員(毎日新聞)

 


会見リポート

バブルが最終局面入り?

福本 容子 (企画委員 毎日新聞社論説委員)

 年初に経済動向を占うとき、経済成長率や株価、為替がどう変化するか、最大のリスクは何か、といった短期の議論になるのが通常だ。

 松村嘉浩氏の経済見通しは、そうした「通常」とはほど遠く、日経平均株価がどこまで上昇するかを聞きたかった参加者は期待外れだったかもしれない。

 松村氏が強調したのは、人口減少や成長のフロンティア喪失がもたらす大変化の時代が始まっているという点だ。そのうえで、政府と日銀が大衆迎合政策に逃げ込んでいる問題を取り上げた。

 その政策とは、日銀主導の資産バブル作りに過ぎず、松村氏は、いずれ高いコストとなって国民に跳ね返ると警告した。バブルがどのような形でいつ崩壊するかの予測は不可能だが、バブル相場が最終局面に入ろうとしているとの見方を示した。

 「マネーとは何か」という根源的なテーマも話題になった。質疑応答がなかなかかみ合わない場面もあったが、年初に長い歴史に考えを巡らせるのも悪くないと感じた。


ゲスト / Guest

  • 松村嘉浩 / Yoshihiro Matsumura

    日本 / Japan

研究テーマ:2018年経済見通し

研究会回数:1

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