会見リポート
2018年01月18日
14:30 〜 16:00
10階ホール
「2018年経済見通し」(4)求められるマクロ政策の枠組み転換 早川英男 富士通総研エグゼクティブ・フェロー
会見メモ
会見リポート
転換期にきた金融・財政政策
山崎 浩志 (企画委員 日本経済新聞社東京本社編集局次長兼経済部長)
金融政策の当事者でなくなった今、マクロ政策への注文ぶりに一段と遠慮がなくなったようにみえる。賃金・消費の足かせにもなる社会保障という見えにくい負担増、働き方がこれほど注目されている中なのに働きぶりが見えない労働組合、未来に目をつぶったとしか思えない歯止めなき財政拡張路線。
とはいえ力を込めて語りたかったのは金融政策だったはず。欧米が出口へと舳先(へさき)を向ける一方で、日本はどこへ向かうのか。黒田総裁のもとで進む金融緩和にも限界がにじんでいないか。出口のまえに次の景気後退が来たら金融・財政政策ともに打つ手がないのではないか。長い景気拡大に沸く日本経済の土壌には不安の種が多々潜んでいる。
日銀で積み上げた経験値と日本経済に対する洞察力が会見では密度濃く示された。この短時間で経済の現状、課題、展望、提言を説明しきるのは容易ではない。時間が許せば日本のマクロ政策変更の選択肢をもっと聞いてみたかった。
ゲスト / Guest
-
早川英男 / Hideo Hayakawa
富士通総研エグゼクティブ・フェロー / Senior Executive Fellow, Fujitsu Research Institute
研究テーマ:2018年経済見通し
研究会回数:4