2017年07月14日 18:00 〜 19:40 10階ホール
上映会「日本と再生 光と風のギガワット作戦」

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会見リポート

世界が先行、風力・太陽光…脱原発弁護士「実証」ルポ

伊藤 正樹 (朝日新聞社ジャーナリスト学校)

ドイツってズルイ? フランスの原発が作った電力に頼っているから。

 

検証すべく現地へ飛ぶ。

 

北ドイツの「風車の森」。約150基の風力発電が林立、なお増設中だ。政府や経済界幹部に面会。日本からの客人定番の質問だ、と苦笑交じりの答えは…ドイツは周辺諸国への電力輸出国として急伸している、対仏も輸出超過だとの数字。自然エネルギーは、設備の新設・更新、制御システムなど投資が安定して持続し、技術革新や成長につながり、経済合理性があるとの見解が示される。

 

河合弘之監督(72)は、全国で脱原発訴訟を闘っている弁護士だ。私財を投じて映画『日本と原発』2作を制作、本作は3作目。前2作は自主上映運動により10万人が観た。反響とともに「原発がダメなのはわかったけど、電気はどうしたらいいの?」という質問が多く出た。それで「自然エネルギーと省エネしかない」を実証しようと考えた。

 

環境学者である飯田哲也・環境エネルギー政策研究所所長が企画・監修。全編100分。ひたすら河合監督と飯田氏が現場を歩き、人に会う。フリップを使っての解説・報告はわかりやすく軽妙で笑えるところも多い。

 

1年近くかけて訪れたのは他に、デンマーク、南アフリカ、アメリカ、アラブ首長国連邦の太陽熱発電、アイスランドでは地熱。中国が風力に投資し、資材を対独輸出している事実も明らかにする。自然エネルギー推進こそ世界の潮流、日本は取り残されているというわけだ。

 

国内は、福島県の飯舘電力や会津電力、長野県上田市のNPO、温泉地熊本県小国の「わいた発電所」等々。

 

印象的なのは、内外を問わず自然エネルギーに取り組んでいる地域住民、首長、当局者らが胸を張って未来への展望を語っている点だ。重そうなテーマなのに明るく感じさせる。


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