会見リポート
2017年05月31日
14:00 〜 15:00
10階ホール
ジャネリゼ ジョージア外相 会見
会見メモ
司会 土生修一 日本記者クラブ専務理事
通訳 宇尾真理子(サイマル・インターナショナル)
会見リポート
米国との関係深化に自信
大木 俊治 (毎日新聞社論説委員)
丁寧かつ簡潔に、国の目指す方向や対外関係をわかりやすく説明してくれた。大学の講義を聞いているようで、36歳の若さながらきわめてスマートな人物とみた。
欧州基準に合わせた自由度の高いビジネス環境や、「世界で最も安全な場所の1つ」であり、観光資源が豊かなことをアピールしながら、課題である鉄道、道路、港などのインフラ整備に日本の基金が投入されていることも紹介。欧州連合(EU)と北大西洋条約機構(NATO)への加盟を目指して法制度などの整備に「全力を挙げている」と強調した。
ロシアが今も国土の一部を占領していることを指摘しつつ、感情的になることなく「武力に訴えず平和的な紛争解決を目指す」と断言。NATO加盟は「ロシアと紛争を起こすためではない。それが地域の安定にとって重要なのだということをロシアにも理解してほしい」とあたかも諭すかのように話していたのが印象的だった。
そのロシアとはいまだに外交関係は断絶状態ではあるが、両国の特使同士の非公式対話の積み重ねによって、通商、交通、文化交流などの実質的な2国間の往来は実現できているという。
米国のトランプ政権をどうみているかという質問には、トランプ氏本人への論評は避けて、すでに首相が訪米して政権幹部と会談していることや、米下院が対ロシアでジョージアの立場を擁護する法律や決議を採択していることを丁寧に説明し、「米国との関係はさらに深化している」と自信を見せた。実に堅実で見事な答えでやや物足りなさも感じたが、それが有能な外交官というものなのだろう。
日本訪問は外交官を志したころからの夢で、それが実現したことがうれしいとも話した。日本の何にそれほど惹かれたのか。時間が足りずに聞けなかったのが残念だ。
ゲスト / Guest
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ミヘイル・ジャネリゼ / Mikheil JANELIDZE
外相 / Minister of Foreign Affairs