2017年05月24日 15:00 〜 16:15 10階ホール
「トランプ政権:米国と世界の行方」9 クーパー・サイモン・ウィーゼンタール・センター副所長 

会見メモ

「トランプ政権:米国と世界の行方」 (9)

壇上左からクーパー氏、バリツァー氏

 

司会 杉田弘毅 日本記者クラブ企画委員(共同通信)

通訳 池田薫(サイマル・インターナショナル)


会見リポート

「神学に基づく憎しみの増幅」を憂う

米国のユダヤ人コミュニティーは、いくつもの顔がある。ホロコーストの被害者として人権を擁護する立場、メディア界やハリウッドの映画界を引っ張る言論人・文化人の立場、そして、莫大な資金量と人脈で米国の政治を動かす圧力団体の立場…。

 

それほど話題が多いだけに、限られた時間内で話し手と聞き手の関心がピタリと像を結ぶのは、至難の技だと思った。正直な感想を言うと、「トランプ政権:米国と世界の行方」についてのシリーズ会見としては、食い足りない内容だった。

 

クーパー氏は基調報告の最後にスライドを披露し、タイや台湾などの若者がナチス・ドイツの軍服を着ている写真や、ユダヤ人への偏見がこもったメディアの風刺画を映し出した。彼が一番訴えたかったのは、これだった。もちろん、サイモン・ウィーゼンタール・センターは、ユダヤ人迫害の歴史を語り継ぎ、反ユダヤ主義の動向を監視する役割を担う組織だから、こうした動向に敏感なのは当然だ。

 

ただ、会見場に集まった記者の主な関心は、幹部の中にユダヤ教徒もいるトランプ政権をユダヤ人社会がどう支え、どう分析し、何を期待しているか、ということだっただろう。

 

大統領が特定のイスラム教国に入国制限をした措置をどう見るか、尋ねてみた。同氏は「米国に在住資格を持つ人も入国できなくなり、大きな失敗だった。民主主義の国に移り住みたい人なら、どの宗教であれ、身元を検証したうえで受け入れるべきだ」と答えた。

 

その一方、大統領の中東歴訪には一定の評価をし、「専用機のエアフォース・ワンがサウジアラビアからイスラエルの空港に直接、降り立ったのは強力なメッセージだった」と言っていたが、やや曖昧だった。結論的には、「個性中心の外交は政策につながらない」「世界中で神学に基づく憎しみが増幅している。果たしてこれが改善する兆候があるのか、見守っていきたい」ということだった。


朝日新聞出身 竹内 幸史

ゲスト / Guest

  • エイブラハム・クーパー / Abraham Cooper

    サイモン・ウィーゼンタール・センター / Simon Wiesenthal Center

    副所長 / Associate Dean

  • アルフレッド・バリツァー / Alfred Balitzer

    サイモン・ウィーゼンタール・センター / Simon Wiesenthal Center

    元顧問 / former Advisor

研究テーマ:「トランプ政権:米国と世界の行方」

研究会回数:9

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