2017年02月22日 14:00 〜 15:00 10階ホール
「チェンジ・メーカーズに聞く」(16) ジャスパー・チャン アマゾンジャパン社長

会見メモ

2001年から日本法人を率いる。「地球上で最も客を大事にする企業」を理念に、豊富な品ぞろえと迅速な配達、日用品のワンプッシュ注文など利便性を追求するが、人手不足など物流面での課題も。新聞との連携は「現時点で予定はないが扱えたらうれしい」。

 

司会 安井孝之 日本記者クラブ企画委員(朝日新聞)


会見リポート

顧客第一のイノベーション 「物流に負担」にどう応えるか

尾村 洋介 (毎日新聞デジタル報道センター)

ネット商取引の草創期、米国の起業家ジェフ・ベゾス氏が創業し、大きな成功を収めたアマゾン。その日本拠点のアマゾンジャパンの社長を務めるジャスパー・チャン氏は、グローバル企業らしく、香港出身のカナダ人だ。消費財大手P&G勤務を経て、2001年から日本のアマゾンの社長を務める。日本語のやり取りも流暢だ。

 

チャン社長は、この会見で、アマゾンが「顧客第一」を基本に考え、商品を届けるスピードと品揃えを追求していると強調。一方、会場のジャーナリストからは「アマゾンが消費者の利便性を追求する結果、運送業者など日本の物流網への負担が大きくなっていることをどう考えるか」と問う質問が目立った。

 

質問に対し、チャン社長は「長年にわたり配送業者と緊密に協力している。改善は常にやっている。いろいろ投資やイノベーションをしながら解決していきたい」と答えたが、具体的に何をどうするかについての言及はなかった。

 

この会見の後、ネット通販拡大による人手不足を背景に、ヤマト運輸の労働組合が宅配便の荷受量の抑制を求めて労使交渉をしていることも明らかになった。つまり、アマゾンを含むオンライン小売の影響が、それほどまで大きくなっているということなのだろう。今後のアマゾンと物流業界の動きには注目しておきたい。

 

このほか、人の声を認識し、家電のオン・オフから音楽再生、ピザの注文など、さまざまな手助けをしてくれる人工知能「Alexa(アレクサ)」を内蔵したデジタル家電「アマゾン・エコー」も話題となった。日本語版の発売に期待する声も出ているが、チャン氏はこの日は「米国での実績はエキサイティングだが、今、(日本語版を)展開する話は発表することはない」と答えるにとどめた。


ゲスト / Guest

  • ジャスパー・チャン / Jasper Cheung

    日本 / Japan

    アマゾンジャパン社長 / AMAZON Japan,G.K

研究テーマ:チェンジ・メーカーズに聞く

研究会回数:16

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