会見リポート
2016年07月28日
14:00 〜 15:00
9階会見場
「国連と日本人」⑩山下真理 国連平和構築支援事務所次長
会見メモ
国連平和構築支援事務所次長を務める山下氏が会見し、記者の質問に答えた。
司会 土生修一 日本記者クラブ事務局長
会見リポート
次期国連事務総長選 ロシアの働きかけが影響?
土生 修一 (日本記者クラブ専務理事)
山下さんが情報収集調査室の政務官補佐として国連に入ったのは1990年。それから四半世紀が過ぎたが、「日本の貢献からすると、日本人職員は国連事務局に300人ぐらいいてもおかしくないのに、私が入った時から今まで数は100人前後で変わらないまま」と嘆く。「チームを重んじて周囲に気配りができる日本人の性格は国際機関に向いているのに」とも。
現在のポストは、国連平和構築支援事務所(PBSO)次長。国連は2005年に、紛争経験国での紛争再発防止のために、平和構築委員会(PBC)、平和構築支援事務局(PBSO)、平和構築基金(PBF)の3組織をスタートさせた。
山下さんは、この平和構築活動の現状と課題について具体例を盛り込んで説明した。
この10年での成功例と失敗例を問われ、「成功例と失敗例の双方があるのがブルンジ」と回答した。
注目される次期国連事務総長選びについては、「前回は、中国がアジア出身者以外の候補は支持しないとの姿勢を示して影響力を発揮した。今回は、ロシアが選考に関してどの程度、働きかけるかにかかっている」と予測した。
次期事務総長に望む資質としては、「国連の理念に基づいて、政府だけでなく市民レベルでの連携もできる、力強いリーダーシップをもった人物」と語った。
ゲスト / Guest
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山下真理 / Mari Yamashita
国連平和構築支援事務所次長 / Director, Deputy Head of Office, United Nations Peacebuilding Support Office
研究テーマ:国連と日本人
研究会回数:10