2016年03月25日 14:30 〜 15:30 10階ホール
「3.11から5年」 ⑯村井嘉浩 宮城県知事

会見メモ

村井嘉浩宮城県知事が会見し、記者の質問に答えた。
司会 橋本五郎 日本記者クラブ企画委員(読売新聞)


会見リポート

「創造的復興」で新たな「日本のモデル」に

久慈 省平 (テレビ朝日災害報道担当部長)

元自衛官だから体力はあるのだろうと思っていた。よく通る元気な声は生まれつきか。5年前、あの未曽有の大災害が起きたとき、多くの難問を前にしながら、私を含めた取材陣の前で、常に大きな声でリーダーシップを取っていた姿が目に浮かぶ。被災者はこの姿にどれだけ元気づけられたことだろう。この人がいなければ、宮城県の復興がここまで進んでいなかったことは間違いない。

 

宮城県にとって、東日本大震災は想定外ではなかった。しかし、実際に起きた地震の規模は想定の約32倍、死者数は約64倍。あまりにも想定を超えていた。復旧か、復興か。言葉のニュアンスにこだわるメディアを尻目に、村井知事は着々と歩を進めている。沿岸15市町のがれき処理は既に終了。「減災・防災のまちづくり」に向けた高台移転などの造成工事着手率は100%、遅れているとされる災害公営住宅も完成率は2016年度中に90%となる見込みだ。

 

「ただ戻すだけではダメ」と何度も力説する村井知事が掲げるのは「創造的復興」。仙台空港の民営化による地域活性化、漁協以外にも漁業権を与えることなどによる水産業復活、医学部新設による東北の医師不足解消…。これらの取り組みは単に被災地復興にとどまらず、新たな「日本のモデル」を見据えている。首都直下地震、南海トラフ巨大地震などが想定される中、国が「次に向けて」検討するべきことは何か。「食べ物、飲み物は何とかなる。本当に必要なのは燃料供給体制の確保」

 

貴重な体験に裏打ちされた言葉には説得力がある。

 

次々に打ち上げる刮目すべきアイデアは、いずれも国の行く末に関わることばかりだが、「東京都知事や国政への関心はあるのか」という質問には、珍しく歯切れの悪い答えが続いた。

 

「国には腹をくくったリーダーがいない。西郷隆盛みたいな人がいればいいのになあ」


ゲスト / Guest

  • 村井嘉浩 / Yoshihiro Murai

    日本 / Japan

    宮城県知事 / Governor, Miyagi Prefecture

研究テーマ:3.11から5年

研究会回数:16

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