会見リポート
2015年09月18日
13:00 〜 14:00
10階ホール
フォン・ヴェアテルン 駐日ドイツ大使 「ドイツの難民・移民政策」
会見メモ
欧州最大の難民受け入れ国であるドイツのヴェアテルン駐日大使が難民・移民政策について話し、記者の質問に答えた。
司会 倉重篤郎 日本記者クラブ企画委員(毎日新聞)
通訳 ベアーテ・フォン・デア・オステン(ドイツ大使館)
会見リポート
難民救うのは歴史的な責任
粟村 良一 (共同通信客員論説委員)
シリアの内戦から逃れた難民が400万人を超え、ギリシャ、バルカン半島を経由してドイツなど欧州へ殺到している。「第2次世界大戦後、最悪の難民危機」といわれるなかで、ドイツの積極的な難民受け入れと欧州連合(EU)での指導力が突出している。なぜ、ドイツは難民に寛容なのか? 予定を30分超えた会見で、大使は一つ一つの質問に懇切丁寧、かつ明快に答えてくれた。
ドイツの難民受け入れの現状、EUの割り当て制など共通対策への取り組み、難民の出身国への支援―の3つがスピーチの柱だ。
市民、ボランティア団体の難民支援が全国に広がっている。「ドイツ人は歴史的な責任を感じ、戦後の大量難民受け入れの経験を忘れまいとしている」「戦後70年、平和と繁栄の下で暮らすドイツも欧州も、難民に支援の手を差し伸べる責任がある。豊かな国全て責任を負っている」
ドイツの市民が駅に到着したシリア難民らを拍手で迎え、難民は「ドイツ、ドイツ」と歓喜の合唱をした。「もちろんうれしい。何百万人ものドイツ人が、自分の国に誇りを持っている。私もその一人です」。成熟した市民と国の姿が、新たな歴史をつくりだしている。
ゲスト / Guest
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ハンス・カール・フォン・ヴェアテルン / Hans Carl von Werthern
駐日大使 / Ambassador to Japan
研究テーマ:ドイツの難民・移民政策