会見リポート
2015年07月21日
15:00 〜 16:30
9階会見場
藤原作弥会員 「戦後70年 語る・問う」(26) 戦争とマネーの失敗
会見メモ
日銀副総裁を務め(98年~2003年)、満州(中国東北部)からの引き揚げ者でもある藤原作弥さん(時事通信出身)が自身の経験について話し、記者の質問に答えた。
司会 川戸惠子 日本記者クラブ企画委員(TBS)
会見リポート
真に豊かな「生活文化立国」を
泉 宏 (時事通信出身)
経済記者から日銀副総裁へと華麗なる転身を遂げた藤原作弥氏は、昭和史を検証するジャーナリストとして「歴史の語り部」の顔も持つ。
原点は70年前の満洲(現中国東北部)からの引き揚げ体験。終戦の前日、満州北部の興安街(現ウランホト)で起きた「葛根廟(かっこんびょう)事件」。女性や子どもたちがソ連戦車隊の銃撃で命を落としたこの惨劇を、かろうじて逃れたのが当時8歳半の藤原氏だった。
同氏が執筆した『李香蘭 私の半生』(1987年刊行)は大きな話題に。当時参院議員だった山口(大鷹)淑子さん(故人)の数奇な人生を本人との共同執筆という形で世に出した。満洲(中華民国)育ちで中国姓を名乗る女優、歌手としてデビュー、戦後は日米で活躍した故山口氏。その生きざまを「昭和史の申し子」として約2年半かけて取材・執筆した。
78歳の今も昭和史発掘に取り組む老ジャーナリストは「日本は戦前は軍事特化、戦後はマネー特化」と分析。その上で、「今こそ教育、環境、文化、科学技術にジャパンパワーを傾注すべき」と新安保法制に突き進む安倍政権に疑問を投げかけ、真に豊かな「生活文化立国」を熱っぽく訴えた。
ゲスト / Guest
-
藤原作弥 / Sakuya Fujiwara
元日銀副総裁 / Former Vice Governor of Bank of Japan
研究テーマ:戦後70年 語る・問う
研究会回数:26