会見リポート
2015年06月25日
14:00 〜 15:30
10階ホール
「戦後70年 語る・問う」21 白井聡 京都精華大学専任講師
会見メモ
『永続敗戦論』の著者である白井聡氏が「《永続敗戦レジーム》の総決算としてのアベノクラシー」と題して話し、記者の質問に答えた。
司会 堀靖彦 日本記者クラブ企画委員(テレビ東京)
会見リポート
戦後の本質“永続敗戦レジーム”を直視せよ
杜 雲翼 (日本テレビ報道局社会部(原発問題取材班))
「1945年8月15日終戦」この言葉には、大いなるごまかしがある―。9月2日の降伏文書調印でなく、8月15日の玉音放送を象徴化し、「敗戦」を「終戦」と言い換えたこと。つまり日本は戦争を天災化することで、戦争責任を曖昧にし、負けたことを否認した。さらに高度経済成長とバブル経済を通じ、見かけ上は敗戦の帳消しが済んでしまった。しかし、その奥深くには“永続敗戦”が連綿と続いている。
「“戦後レジームからの脱却”を目指す安倍政権の内実は、“永続敗戦レジームの総仕上げ”でしかない」。現政権を批判し、返す刀でマスメディアや国民意識についても戒める氏の舌鋒は鋭かった。
「無責任の体系(丸山眞男)」は、4年前の福島第一原発事故で、再び私たちの前に露呈した。氏の講演を聴き、私は次の言葉を思い出していた。
――だまされるということはもちろん知識の不足からもくるが、半分は信念すなわち意志の薄弱からもくるのである。 …「だまされていた」といって平気でいられる国民なら、おそらく今後も何度でもだまされるだろう。いや、現在でもすでに別のうそによってだまされ始めているにちがいないのである。(伊丹万作「戦争責任者の問題」1946年)
ゲスト / Guest
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白井聡 / Satoshi Shirai
京都精華大学専任講師 / Lecuturer, Kyoto Seika University
研究テーマ:戦後70年 語る・問う
研究会回数:22