2015年06月03日 14:00 〜 15:30 10階ホール
石原信雄 元官房副長官 「戦後70年 語る・問う」⑱

会見メモ

竹下内閣から村山内閣まで7つの内閣で官房副長官を務めた石原信雄さん(現・財団法人地方自治研究機構会長)が、自身の経験もまじえ、戦後の政と官の関係の変遷について話し、記者の質問に答えた。
司会 軽部謙介 日本記者クラブ企画委員(時事通信)


会見リポート

官僚の知識と経験を生かす政治を

田中 隆之 (読売新聞政治部長)

官僚の目から見た「歴代内閣史」の講義のような記者会見となった。

 

7代の政権で内閣官房副長官を務めた石原信雄氏が、官僚と政治家の関わりについて体験を交えて語り尽くした。退任から20年になるが、よく通る声は現役当時のままだ。記者を教え諭すような話し方も変わらない。

 

石原氏が最も強調したのは、政治主導で「官僚の知識と経験を生かす」ことの大切さだ。中曽根康弘首相の国鉄改革、竹下登首相の消費税導入など、歴史に残る政策が実現したのは政権と官僚の関係が良かったから、という。官僚を大切にした社会党の村山富市首相が、地方分権改革などの戦後の懸案を処理したことも高く評価した。

 

「官僚のおごり」と思われそうだ。だが、主張に説得力があるのは、「強烈な官僚排除」を掲げた揚げ句、失政を重ねた民主党の鳩山由紀夫首相の印象があまりにも強烈だからだろう。

 

時代は移り、派閥で鍛えられ、役人の使い方を心得た政治家も、「この政治家と一緒に死のう」という官僚もほぼ姿を消した。今の「クールな」政官関係には少し物足りないようだった。


ゲスト / Guest

  • 石原信雄 / Nobuo Ishihara

    日本 / Japan

    元官房副長官 / former deputy chief cabinet secretary

研究テーマ:戦後70年語る・問う

研究会回数:18

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