会見リポート
2015年02月05日
16:30 〜 18:00
宴会場(9階)
「地下鉄サリン事件20年」①オウムの現在とカルトからの脱出
会見メモ
「日本脱カルト協会」で予防対策や脱会者支援を続ける3氏が、オウムの現在とカルト問題について話し、記者の質問に答えた。
司会 瀬口晴義 日本記者クラブ企画委員(東京新聞)
写真左から 山口氏、西田氏、滝本氏
脱カルト協会HP
会見リポート
情報の公開と検証が必要 いまからでも遅くはない
伊藤 正志 (毎日新聞論説委員)
オウム真理教による地下鉄サリン事件から20年。カルト問題の視点から3氏が事件を語った。
信者に命を狙われた滝本氏は、麻原彰晃という特異な教祖による宗教殺人だったと事件を分析した。絶対的服従のシステムの下、「教祖以外は良いことをするつもりで殺人を実行していた」と、破壊的カルトの実態を総括した。
死刑囚を含むオウム被告10人と面接し、鑑定書を書いてきた西田氏は「信者を事件に駆り立てたのは、教祖によるマインド・コントロールだった」と指摘し、こうした心理操作について「世界に広がった。『イスラム国』による残虐なテロを理解する上でも重要な鍵になる」と言及した。
海外のカルト問題に詳しい山口氏は「先進国でも国によってカルト問題へのアプローチは異なるが、日本は取り組みがない」と批判した。
3氏に共通したのは、オウム事件について裁判以外の場で検証する必要性だ。未公開情報を明らかにし、いまからでも解明に着手すべきだとした。
ゲスト / Guest
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滝本太郎弁護士 西田公昭立正大教授 山口貴士弁護士 / Taro Takimoto, Lawyer / Kimiaki Nishida, professor, Rissho university / Takashi Yamaguchi, lawyer
研究テーマ:地下鉄サリン事件20年
研究会回数:1