2014年09月17日 15:00 〜 16:00 宴会場(9階)
著者と語る 国正武重 元朝日新聞編集委員 『伊東正義 総理のイスを蹴飛ばした男』

会見メモ

著者の国正武重さん(元朝日新聞編集委員)は、同書は自身の取材メモを基に、これまでオフレコで出せなかったものを明らかにして構築したものだ、と述べた。伊東正義氏の生き様を通じ、日本政治の現在の在り様について考えてもらうために出版したとも。

司会 川村晃司 日本記者クラブ企画委員(テレビ朝日)


会見リポート

伊東正義氏にみる「いまの政治」への警鐘

泉 宏 (時事通信出身)

「いまの政治のありよう、これでいいのか」との思いから、朝日新聞を辞めて15年たつ筆者が秘蔵の取材メモを掘り起こして書いた伊東正義論。「総理のイスを蹴飛ばした男」を通して、〝安倍一強〟で突き進む現在の自民党に警鐘を鳴らす。


リクルート事件で政局が混乱を極めた1989年。退陣表明した竹下登首相(当時)の後継選びで「救世主」とされながら「本の表紙だけ変えても、中身が変わらなければダメだ」と固辞したのが伊東正義元外相だ。国正氏は「なぜ、総理のイスを蹴飛ばしたのか」をさまざまな秘話から解き明かす。


「ページ数の関係から削られた」という伊東氏腹心の加藤紘一元幹事長の「(断ったのは)健康が半分、党内問題が半分」との言葉を披露し、「サミットで倒れたら国の恥」と糖尿病に苦しむ伊東氏を、「75歳の安全パイ」と位置付けて急場をしのごうとした当時の自民党実力者たちへの伊東氏の強烈な不満が、固辞の原因と指摘した。


「執筆は鉛筆と消しゴムだけ。出版社には『もう勘弁して』と言われている」と笑わせた大先輩だが、「あと2つ3つ書いておきたいことがある」との意欲に期待したい。


ゲスト / Guest

  • 国正武重 / Takeshige Kunimasa

    日本 / Japan

    元朝日新聞編集委員 / Journalist

研究テーマ:伊東正義 総理のイスを蹴飛ばした男

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