2013年08月28日 19:00 〜 20:00 宴会場(9階)
泉田裕彦 新潟県知事 記者会見

会見メモ

泉田裕彦・新潟県知事が、「原子力発電所の安全対策における懸念について」と題して話し、記者の質問に答えた。

司会 日本記者クラブ企画委員 川村晃司(テレビ朝日)

新潟県知事公式ホームページ

http://chiji.pref.niigata.jp/


会見リポート

問題点の発信 続ける姿勢貫けるか

仲屋 淳 (新潟日報報道部)

全7基が停止中の東京電力柏崎刈羽原発の再稼働に向けた動きが本格化してきた。原発立地県知事は法的な権限はないとはいえ、再稼働をめぐる判断には大きな影響力を持つ。知事の発言からは、柏崎刈羽原発の再稼働が容易ではないとの印象を抱いた人も多かったのではなかろうか。


「東電に原発のオペレーションができるのか」「原子力規制委員会は原発の性能だけをみるのが任務ではない。なぜ住民の安全確保のために前面に立とうとしないのか」


知事からは東電、原子力規制委員会に対する厳しい批判が続いた。こうした主張は福島第一原発事故後、一貫している。


柏崎刈羽原発の再稼働に対しては「福島事故の検証と総括をした上で対策を講じ、議論するという順番が必要」との見解も変わっていない。


東電は2002年に発覚したトラブル隠しで立地地域の信頼を失い、07年の中越沖地震では、施設が広範囲に損傷し、住民に大きな不安を与えた。住民の東電に対する不信が消えていない中で福島事故は発生した。


福島事故の対応拠点「免震重要棟」は、新潟県が中越沖地震の経験を基に東電に設置を求めた施設と知事は強調した。中越沖では事故対応の部屋が地震によって扉がゆがんで開閉不能になり、新潟県庁と柏崎刈羽原発のホットラインが途絶えたからだ。


「福島第一原発に免震重要棟がなければ、東京を失っていたかもしれない」とも口にした。


知事は今後も安全対策を徹底的に求める構えを崩さないようだ。「問題点が分かっているのに口をつぐむことは、自己保身としては楽だが歴史への背任になる。問題点に気付いたら発信していく」と語った。知事がこのスタンスを貫き通せるのか。東電が進める安全対策と同様に目が離せない。


ゲスト / Guest

  • 泉田裕彦 / Hirohiko Izumida

    日本 / Japan

    新潟県知事 / Governor, Niigata Prefectural Government

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