1997年06月10日 00:00 〜 00:00 10階ホール
ボリス・ネムツォフ・ロシア第一副首相

会見メモ

 37歳の若さ。長身で、清潔感があって、目がキラキラしている。エリツィン大統領により、ことし3月に抜てきされた。就任早々、腐敗・汚職追放や行政の透明化で、大統領令を出させるなどして、ロシア政界の新星として、人気が高い。
 第一副首相のプロフィールは、会見翌日の朝日・徳永晴美記者の「焦点の人」にくわしいが、残念ながら会見の内容には触れていない。
 20人からなる経済関係の有力メンバーを率いて、日ロ貿易経済政府間委員会に出席のため来日。冒頭で、その成果として、ロシア側の対日債務の処理方針で大筋で合意に達した点と、サハリンなど極東地域開発での二国間協力でも前進があったことを報告した。
 日本の対ロ貿易は50億ドル程度で、これはロシアの対外貿易が1430億ドルであるのを考えるとあまりに少ない。直接投資にいたっては全体のわずか1.7%の規模であると言う。
 この現状に対して、第一副首相は「米国に次ぐ経済大国で、東の隣国である日本と経済や人の交流を追求しないのは許しがたい過ちである」と断定。燃料、エネルギー中心の極東開発や北方四島での経済協力を、積極的に進めたいと意欲を示した。
 橋本首相との会談の席で、訪ロ要請をしたためた大統領親書を手渡した。そのときの橋本首相の反応については次のように。「とてもいい反応でした。それ以外の反応はありえないでしょう。ことし中に行けるとか行きたいとかいうだけでなく、それ以上のことをおっしゃった。休日をもうけてエリツィン大統領と一緒に過ごしたい、と」。
 クラブでの一時間弱の会見の後、すぐ大使館で報道各社の幹部なども招いてのレセプション。15分くらいいて、新幹線で京都へ向かった。会場に残った第一副首相付きのペルシン報道官に「ブレアさんとかクリントンさんと波長が合いそうな感じを受けましたよ」と話したら、次のような返答だった。「イヤ、今日の出来はもうひとつだった。いつもはもっと反応がシャープで素晴らしいんだが、過密な日程で疲れていたようだ」。
クラブ会報1997年7月号11-12ページから引用)


ゲスト / Guest

  • ボリス・ネムツォフ / BORIS EFIMOVICH NEMTSOV

    ロシア / Russia

    第一副首相 / First Deputy Prime Minister

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