会見リポート
1992年07月14日
00:00 〜 00:00
10階ホール
宮沢喜一・首相
会見メモ
・・・会見中一度も「PKO」の用語を使わず。質問に答える形で、「国際平和協力法は国会で信任されている。参院選の結果が信任云々とは思っていない」「野党がゆっくりお歩きになったから時間的にギリギリになっただけで、票数は十分」と。続けて、「憲法違反と言うのなら何時間でも議論する用意がある」。
景気の現状については「最悪の事態は脱しつつある。楽観はしないが、十分対応できる」と、自信を示した。なお、所得税減税や金利の引き下げには否定的だった。・・・
■氷心在玉壺
・・・記者が大ニュースに当たった時と同じで、選挙となれば政治家は誰でも高揚する。が、総理としてクラブ初登場の宮沢さん(7・14)は特別だった。サミットの政治宣言に”北方領土”を入れさせ、9月のエリツィン訪日を待つ首相。サンフランシスコ講和会議で、グロムイコ代表の途中退場を見送った1人として、いい知れぬ感慨があるに違いない。
サミット首脳との丁々発止の余韻が残っているような充実ぶりと、任期中不安ナシともいわれる中での参院選突入、政治家として高揚し切った宮沢さんの顔が見られたのは当然だったかもしれない。その宮沢さんが、「今日はパリ祭りですナー」と言って書いた記念の言葉が「氷心在玉壺」。
意味は、ひとかけらの氷が玉の壺にあるような、心が清澄潔白で名利に汚れがないことだそうだ。出典は中国・盛唐の王昌齢の「芙蓉楼送辛漸」と題した次の詩。
寒雨連江夜入呉 平明客送楚山孤 洛陽親友如相問 一片氷心在玉壺
もとは、南宋の鮑照が「代白頭吟」の中で詠んだ「清如玉壺冰」に由来するという。
(日本記者クラブ会報1992年8月号8ページから引用)
会見音声
ゲスト / Guest
-
宮沢喜一 / Kiichi Miyazawa
首相 / Prime Minister