会見リポート
2010年04月02日
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瀬谷ルミ子・日本紛争予防センター事務局長
会見メモ
2010年4月2日、シリーズ研究会「ユーラシア/アフガニスタン編」で、「DDRを通してみたアフガニスタン」のテーマで話した。
司会:川村晃司・日本記者クラブ企画委員(テレビ朝日)
会見リポート
DDR後 タリバンの影響力増す
遠藤 幹宜 (共同通信外信部)
DDRはプログラム通り完了したが、現状を見れば効果には疑問が残る。瀬谷氏は、武装解除によって各地でタリバンの影響力が増したことを認め「(米独が担当する)国軍や警察の地方展開が不十分だった」と指摘。軍と警察の強化が不可欠と説く。
日本の支援の在り方については「逆に現地で活動する人にマイナスの影響を与えることもある」と指摘。海自による給油活動はほとんど知られず、逆に「日本の中立性が保たれた」と手厳しい。政府の方策は「邦人保護の対象となることを懸念し、リスクを負わない決断をしがち」といい、カルザイ政権の中立性が疑問視される中、金だけをつぎ込んでも有効活用されない可能性を訴えた。
5年後のアフガンは①今のまま、外国部隊駐留が続いている②外国部隊が撤退しタリバンが政権の一部に入っている──の2パターンを予測。DDRでの経験を踏まえ、「タリバンとして何を求めているか、妥協の配分のやりとりが大切だ」と指摘。タリバンの政権入りで「特に田舎で女性に対する規制が強まる可能性が高い」として、和解プロセスでうまく交渉していく必要性を主張した。
現在も年の半分をソマリアやスーダンの紛争地で地域社会の支援に当たる瀬谷氏。これからも経験に基づく厳しい提言を続けてほしいと思う。
ゲスト / Guest
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瀬谷ルミ子 / Rumiko SEYA
日本紛争予防センター事務局長 / Secretary General of Japan Center for Conflict Prevention (JCCP)