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飯舘村 「までい」な村の復興(日本経済新聞出身 松本克夫)2018年2月

フレコンバッグの山が目立つ飯舘村だが、昨年3月末の避難指示解除で「マイナスからゼロに向かってのスタート」(菅野典雄村長)を切って以来、復興は着実に進んでいるように見受けられる。中心部には道の駅「までい館」がオープンした。

 

4月からは村内で一つに統合した小中学校が再開される。生徒が集まるかどうか心配されたが、100人近くが村外の避難先から通ってくる見通しだ。「小学6年生と中学3年生が多い。飯舘の小中学校の卒業証書が欲しいと言っている。これまで村づくりで心掛けてきたことが実った」と菅野村長は笑顔を見せる。

 

まだ帰還者は1割足らずだが、放射能の受けとめ方は「百人百様」だから、帰還をせかせるつもりはない。「避難者の大部分は村から1時間圏内にいる。ばらばらになったことに後ろめたさを感じる必要はない」と菅野さんは言う。焦らず愚痴を言わず、丁寧を意味する「までい」な村らしい復興を目指す姿勢である。

 

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