ベテランジャーナリストによるエッセー、日本記者クラブ主催の取材団報告などを掲載しています。


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「弾丸ツアー」来年以降も(企画委員・東京新聞 瀬口晴義)2018年2月

「弾丸取材ツアー」とひそかに恐れられている日本記者クラブの被災地取材団は2013年8月に始まった。計6回、岩手、宮城、福島の被災地に向かった。そのうちの5回に参加した。とにかくスケジュールが濃密だ。移動距離、時間も長く分刻みの日程に追われる。被災地の今を目に焼き付け、風化と闘う人たちの話をたっぷり聞いてほしい、という事務局の熱意の反映だと思いたい。

 

印象に残る場面はいくつもある。児童が7人、両親とも亡くした児童が10人、父と母のどちらかを亡くした児童は50人を超えた岩手県陸前高田市の高田小学校。木下邦男校長が時に涙を流しながら話した思いは胸に響いた。宮古市田老のホテルで見た当日の津波の映像は衝撃的だった。

 

原発事故の傷痕は今も生々しい。7年たっても何も始まっていない地域もある。震災を知らない世代も増えている。来年以降も弾丸ツアーに参加し被災地の姿を焼き付けたい。

 

 

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