取材ノート
ベテランジャーナリストによるエッセー、日本記者クラブ主催の取材団報告などを掲載しています。
メディアに対する期待と懐疑(小溝 海)2017年7月
どの取材先でも一帯一路構想と共に提唱された「五通」思想の説明を受けた。西安市市政部の李鵬副部長は、その1つ「民心相通(国民間の相互交流)」の実現のため「周辺諸国の異なる文化の交流、理解を促す」役割をメディアに期待した。陝西日報でも複数のウェブサイト、SNSを通じて周辺諸国に向けた発信を強化していると聞いた。しかし、王歓院副総編集長は「機関紙として共産党の指示で動いている」とはっきりと述べていた。独立性を欠いたメディアが「民心相通」の先頭に立つことに一抹の不安を感じた。
(日本新聞協会)