2026年01月16日 16:00 〜 17:00 10階ホール
片山さつき 財務相 会見

会見メモ

高市早苗政権が掲げる「責任ある積極財政」のもと、財務大臣兼金融担当大臣として経済・財政政策を担う。

「『強い経済』の実現に向けてと」をテーマに会見。経済財政政策や外国為替市場で進む円安の要因についての質問に応じた。

 

司会 菅野幹雄 日本記者クラブ理事・企画委員長(日本経済新聞社)


会見リポート

今と未来の国民への「責任」

土居 宏之 (読売新聞社経済部)

 記者会見は衆院解散の見通しが報じられる中で行われた。片山氏は高市政権の掲げる「責任ある積極財政」によって「強い経済」と財政の持続可能性を両立させると強調し、衆院選は経済政策で「国民の審判をいただく」場になるとの認識を示した。

 片山氏は財務官僚として女性初の主計官を務めた経歴を持ち、昨年10月、旧大蔵省時代を含めて女性で初めての財務相に就任した。会見では「強いリーダーシップの女性首相のもと、同じく女性財務相として変化に耐えうる財政をマネージしたい」と意気込みを語った。

 高市政権は戦略的な財政出動で国内の供給力を高め、所得や消費マインドが改善する好循環を実現する方針だ。予算編成の手綱を握る片山氏は近年の経済環境について、「コストカット型経済から成長型経済に移行しつつある分水嶺だ」と指摘し、AI(人工知能)や半導体などの戦略分野に積極投資する考えを示した。

 積極財政で景気を下支えする手法に対しては、金融市場で財政規律の緩みへの警戒感も高まっている。質疑では円安・ドル高基調や長期金利の上昇に関する質問が相次いだ。片山氏からは「財政が持続可能だと証明して、マーケットからの信認を確保したい」などと、市場を意識した発言も目立った。

 ただ、財政健全化の具体策は踏み込み不足だった感が否めない。租税特別措置や補助金の見直しを通じた「ワイズ・スペンディング(賢い支出)方式」で債務残高対国内総生産比の引き下げを目指す方針には触れたものの、改革効果は未知数だ。

 片山氏が多用したのが「未来」というキーワードだった。責任ある積極財政も「今を生きる国民と未来の国民両方に対する責任だ」という。背景には厳しい国際情勢の中で、日本経済が衰退すれば国際的な地位も保てなくなるという危機感がある。来たる衆院選で未来への明確な展望を訴えることができるのか。その手腕が問われている。

 


ゲスト / Guest

  • 片山さつき / Satsuki KATAYAMA

    財務大臣 / Minister of Finance

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