2024年05月20日 14:30 〜 16:00 10階ホール
「<政治とカネ>を問う」(9) 御厨貴・東京大学名誉教授、同先端科学技術研究センター フェロー

会見メモ

東京大学名誉教授で同先端科学技術研究センターフェローの御厨貴さんが、歴史的な視点から政党と派閥、カネについて解説した。

 

司会 佐藤千矢子 日本記者クラブ企画委員(毎日新聞社)


会見リポート

政党への深い絶望感を懸念

山下 毅 (NHK解説委員室 特別主幹)

 政治資金規正法の改正に向けた法案が出そろうタイミングでの会見となった。「歴史を大きくつかむ」をテーマに戦後史80年を中心に政党、派閥、カネを歴史的な視点から解説。戦後新しくできた政党の総裁を公選で決めるところから民主化がスタートし自分たちのボスを総裁にしようと派閥が誕生したと振り返った。

 そして公選法が適用されない総裁選がカネにまみれていくさまを具体的に描写した。

 2派からカネをもらう「ニッカ」、3派からの「サントリー」といった隠語に触れ、かつて自民党の党大会で総裁を選ぶ投票の前に各派閥が「うちの親分をよろしく」と現ナマを議員の背広のポケットに突っ込んでいく様子が当時のニュース映画に映っていたエピソードを紹介。

 これとは別に田中角栄氏がカネを渡すマナーとして、もらう側に圧がかからない指南をしたという話からはカネを効果的に使う田中派の伝統が垣間見えた。

 また安倍派などの「裏金」の背景について派閥や議員がアドホックにではなく予定調和的にカネが入ってくるシステムが欲しくなったのだと解説した。

 こうした歴史も踏まえ、今の政治状況は岸田政権への支持が低迷する一方で、野党が次に政権をとれる状況ではないと分析。政党に対する国民の絶望感は深く「ニヒルな選択を迫られる時代になった」と危機感を露わにした。ただ、政治を純粋に憂える若い層にかすかな希望を見いだし、SNSなども活用して政治を変えていくことに期待しエールを送った。

 一貫して今の政治にリクルート事件後のようなエネルギーや情熱が乏しいことへの失望感をにじませた。岸田派や安倍派が相次いで解散したあと自民党内で動きが出ると思ったらそこで止まってしまったありさまに対して「派閥だけでなく自民党そのものの解体時期が来ているのかな」という発言が印象的だった。


ゲスト / Guest

  • 御厨貴 / Takashi MIKURIYA

    東京大学名誉教授、同先端科学技術研究センター フェロー

研究テーマ:<政治とカネ>を問う

研究会回数:9

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