2024年02月27日 10:30 〜 11:30 10階ホール
セルギー・コルスンスキー駐日ウクライナ大使 会見

会見メモ

ロシアがウクライナに軍事侵攻してから2月24日で丸2年が経った。

セルギー・コルスンスキー駐日ウクライナ大使が登壇。

この間の戦況やウクライナの戦術、停戦に対するウクライナとしての考え方、日本に求めることなどについて話した。

 

司会 出川展恒 日本記者クラブ企画委員(NHK)

 


会見リポート

「復興で日本は一番のパートナー」

村上 愛衣 (読売新聞社国際部)

 ロシアによるウクライナ侵略から2年を迎えたことを受け、ウクライナのセルギー・コルスンスキー駐日大使が会見を開いた。戦況を報告し、日本に支援強化を求めた。

 「私のメッセージはシンプルだ。可能な限りの方法で、我々を支援してほしい」。日本に訴えたいことは何かと問われると、報道陣を前に語気を強めた。日本へ求める具体的な支援として、第一にミサイルやドローン攻撃に対する防衛装備、第二に経済支援、第三に復興支援を上げた。

 ウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー大統領は2日前に首都・キーウで行った記者会見で、ロシアによる2022年2月の侵略開始以降、ウクライナ兵の死者が3万1000人に上るとした。コルスンスキー氏は、その数をロシア兵の死者数が大きく上回るなどとし、「全く命の価値を考えていない」とロシア軍の戦い方を非難した。

 ウクライナは昨年6月に、南部と東部で反転攻勢を開始するも、戦況は膠着状態に陥った。今年2月には、東部ドネツク州アウディーイウカをロシア軍が制圧した。コルスンスキー氏は、ウクライナによるロシア軍のA50空中警戒管制機の撃墜などを戦果として強調。「ウクライナが負けつつあると言われるのは公平ではない。敗北しつつあるのではない。適切な兵器があれば、反撃し、(領土から)追い出すことができる」と述べた。

 侵略開始から2年を前にした2月19日、東京都内では、ウクライナの復旧・復興に向けた「日ウクライナ経済復興推進会議」が初めて開催された。コルスンスキー氏は会議を、「日本企業がウクライナで何ができるかに関して、ここまで深く、包括的に議論したのは初めてだ」と振り返った。日本の戦後や震災後の復興の取り組みについて触れ、「復興において、世界で日本は一番のパートナーだ」と期待を寄せた。


ゲスト / Guest

  • セルギー・コルスンスキー / Sergiy Korsunsky

    ウクライナ / Ukraine

    駐日ウクライナ大使 / Ambassador of Ukraine to Japan

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