2023年12月12日 11:00 〜 12:00 9階会見場
ハマスによる人質の家族代表団 会見

会見メモ

10月7日にハマスに拘束された人の家族が来日し、会見に臨んだ。

イディット・オヘルさんは息子のアロン・オヘルさんを、サソン・エズラ・ゼカリヤさんは姪のエデン・ゼカリヤさんを、ヤコブ・アルガマニさんは娘のノア・アルガマニさんを拉致された。

3人は息子、娘、姪への思いを語るとともに、日本政府、日本のメディア、国民に対し、人質奪還に向けた支援を求めた。

※写真1枚目から順にエズラ・ゼカリヤさん、オヘルさん、アルガマニさん 

 

司会 杉田弘毅 日本記者クラブ企画委員(共同通信)

通訳(英語・日本語) 西村好美 サイマル・インターナショナル

通訳(ヘブライ語・日本語) 菅生素子 駐日イスラエル大使館


会見リポート

祈り虚しく、失われる命

立田 成美 (共同通信社外信部)

 怒り、悲しみ、焦燥感―。行き場をなくした感情が入り乱れ、会場は重苦しい空気に包まれた。

 パレスチナ自治区ガザのイスラム組織ハマスによって拘束されたイスラエル人の家族3人が来日して会見し、一刻も早い解放に向けて協力を呼びかけた。人質の命はいまやイスラエルの攻撃によって失われていくガザ市民の命とてんびんにかけられ、戦況や政局が彼らの命運を左右する。「私たちはただ愛する人に会いたいだけ」。3人は悲痛な表情で訴えた。

 昨年10月下旬にイスラエルがハマスのせん滅と人質解放を掲げてガザ地区への地上作戦を開始して以降、民間人の犠牲をいとわない作戦に国際社会は反発し、人質の親族への風当たりも強くなっている。いったんは前進した人質交換交渉も頓挫。吉報がもたらされる兆しはない。

 「人質の遺体が次々に見つかっている。時間がないんだ」。めいエデン・ゼカリヤさんを拉致されたサソン・エズラ・ゼカリヤさんは、ガザ地区の民間人犠牲者についてどう思うかを記者に問われ、質問へのいら立ちをあらわにした。途中、イスラエルのコーヘン駐日大使が「政府の方針や戦略に関する質問は私が答える」と声を荒げて割って入る場面も。立場の異なる人々の思いがぶつかり合い、ひりついた空気が漂った。

 会見の翌日、エデンさんが遺体で見つかったとの情報が届いた。どんな思いでサソンさんたちが帰国したのか、考えるだけで胸が痛い。数日後には人質3人がイスラエル軍に誤射され死亡した。混沌の中では敵味方関係なく命が簡単に失われていく。残酷な現実だ。

 事態打開の鍵はやはり停戦の中にしかない。各国は戦闘の即時終結に向けてイスラエルとパレスチナのどちらかに肩入れするのではなく、双方と対話して多方面から支えていくべきだろう。


ゲスト / Guest

  • イディット・オヘル / Idit OHEL

  • ヤコブ・アルガマニ / Yacov ARGAMANI

  • サソン・エズラ・ゼカリヤ / Sason EZRA ZEHARIA

前へ 2024年02月 次へ
28
29
30
31
1
2
3
4
10
11
12
17
18
22
23
24
25
29
1
2
ページのTOPへ