会見リポート
2023年10月12日
13:30 〜 14:30
9階会見場
ギラッド・コーヘン駐日イスラエル大使 会見
会見メモ
10月7日にパレスチナ自治区のガザを実効支配するイスラム組織ハマスがイスラエルを攻撃したことを受け、ギラッド・コーヘン駐日イスラエル大使が会見した。
司会 出川展恒 日本記者クラブ企画委員(NHK)
通訳 森岡幹予 サイマル・インターナショナル
会見リポート
「復讐ではない、圧力だ」
出川 展恒 (企画委員 NHK解説主幹)
パレスチナ暫定自治区のガザ地区を実効支配するイスラム組織ハマスが、10月7日、イスラエルに対し、大規模なロケット弾による攻撃と、地上からの越境攻撃を行い、ガザ地区周辺の町村を無差別に襲撃した。1400人以上が犠牲になり、220人以上がガザ地区に拉致され人質となった。
イスラエルのネタニヤフ政権は、ハマスに対する「戦争」を宣言し、徹底的な報復攻撃を開始した。発生後まもなく、コーヘン大使からの要請があり、会見が設定された。
大使は、「戦時下のイスラエル」と題した20㌻あまりの資料と映像を使いながら、「テロ組織ハマスが、正当な理由なく戦争を始めた。乳幼児、女性、老人を含む、何の罪もない人々を極めて冷酷な方法で虐殺し、人質にした」と訴えた。さらに、「ハマスはISと同じだ。イスラエルは国民を守る正当な権利があり、国際社会はテロリストを非難すべきだ」と訴えた。夫人の実家も襲撃対象になったと打ち明け、大使が感情を高ぶらせている理由がわかった。
司会者の立場で質問を投げかけた。「大勢の市民が無差別に殺されたイスラエルの怒りと自衛権は理解できるが、どんなやり方でも許されるわけではない。一般市民の命は守られるべきだ。ガザ地区を完全に封鎖し、水も電気も医薬品も一切届かないようにするのは〝集団処罰〟であり、国際人道法に反するのではないか?」――大使の答えは、「われわれがやっているのは復讐ではない。ハマスに圧力をかけ、人質を解放させ、二度とテロを行わせないようにするために必要な措置だ。ガザ地区の一般市民は敵ではなく、苦しめるつもりは全くない」――その後も、かみ合わない質疑が、予定時間を40分超えて続いた。
その4日後、ワリード・シアム駐日パレスチナ大使が会見した。熾烈な情報戦が日本でも繰り広げられている。
ゲスト / Guest
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ギラッド・コーヘン / Gilad COHEN
駐日イスラエル大使 / Ambassador of Israel to Japan