2023年03月27日 14:00 〜 15:00 10階ホール
栗山英樹 WBC日本代表監督 会見

会見メモ

ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)で日本を14年ぶり3度目の優勝に導いた栗山英樹監督が登壇し、今大会を振り返った。

 

司会 宮内正英 日本記者クラブ企画委員(スポーツニッポン新聞社


会見リポート

最後の2回 あの二人しか

秋村 誠人 (スポーツニッポン新聞社スポーツ部専門委員)

 

 侍ジャパン・栗山英樹監督にとって、日本記者クラブの会見場は思い出のある場所だった。2017年、二刀流で育て上げた当時日本ハムの大谷翔平が同会見場でメジャー挑戦を表明。その姿を別室の陰から見守っていた。

 日本ハムの監督と選手として5年間、目指してきたのは「世界一の選手」。その道をまっすぐ歩ませるためにメジャーリーグへ送り出した。それから6年たち、大谷を二刀流でフル回転させてWBCで世界一の座を勝ち取り、優勝監督としてこの会見に臨んだ。「あの時は(日本での)5年間で翔平を米国に旅立たせる使命もイメージもあった。どういう表情(で旅立つの)かと思って(会場に)きた」。そう当時を振り返ったが「世界一の選手」という道を歩む選手とともに輝いた世界一。「個人的な思いは別」としながら、感慨はひとしおだった。

 メジャー5年間での成長を感じたという今大会。かつて故障の心配から制御させていた走塁面も「東京ラウンドでは『行けるなら行くぞ』と。体の強さは前に進んでいた」と言った。米国との決勝で最終回に登板を可能にした最大の要因も体の成長にある。準決勝前々日の3月18日(日本時間19日)に決勝で投げられるなら言ってくるように伝え、そこから毎日体の状態を確認。大谷が投げることが決まったのは、ダルビッシュと同様に決勝当日の練習の時だった。

 米国との決勝。先発の今永から若い投手をつなぎ、夢のダルビッシュ―大谷という継投で締めくくった。「決勝は回を重ねるごとに重圧が増していく。最後の2回を越えられるのは、あの二人しかいないと思った」。最後の二人の継投は「コーチ陣にも告げてなかった」と回顧したが、以前からイメージはあった。「優勝するならそういうストーリーなのかな、と」。夢が正夢となった瞬間、栗山監督は大谷が「世界一の選手」という道をまっすぐ歩んでいることを確信した。


ゲスト / Guest

  • 栗山英樹 / Hideki KURIYAMA

    WBC日本代表監督

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