2023年02月14日 13:30 〜 15:00 9階会見場
「3.11から12年」(3) 現場の現状と課題 地元議員の視線で 福田利喜・陸前高田市議会議員、今川悟・気仙沼市議会議員

会見メモ

被災地の中でも津波被害が大きかった岩手県陸前高田市と宮城県気仙沼市。

陸前高田市議会議員の福田利喜さん(写真左から1枚目)、気仙沼市議会議員の今川悟さん(同2枚目)が震災から12年を迎える被災地の復興の光と影、まちづくりの諸課題、市財政の現状などについて話した。

 

司会 坪井ゆづる 日本記者クラブ企画委員(朝日新聞社)


会見リポート

「被災地を訪れてほしい」

中根 圭一 (読売新聞社科学部)

 東日本大震災で甚大な被害に見舞われ、県境を挟んで隣り合う岩手県陸前高田市と宮城県気仙沼市。私自身、転勤先の気仙沼市で津波に遭遇し、4年前に赴任した岩手では陸前高田市の復興の歩みを取材した。街は今、どうなっているのか――。そんな素朴な疑問に、福田氏と今川氏は包み隠さず答えてくれた。

 福田氏は会見の冒頭、陸前高田市の人口は、震災前から約7000人減って約1万8000人になったことを紹介し、憂えた。陸前高田市の新しい市街地の土台は完成したが、肝心の人の姿はまだ戻っていない。

 背景には、国が震災後、早々とコンサルタントらに復興の方針づくりを任せたことにあるという。市職員の多くが津波で犠牲となり、街の将来を考える余裕がなかったためだが、「住民不在の復興がスタートした」という。当時、福田氏が市に提案しようとしても、「議員が何か言うと、復興が遅れる」と突き返された。

 震災後に開館した東日本大震災津波伝承館は、来館者数が順調に伸びている。「集客効果を市全体に波及させることが大切だ」と力説した。

 今川氏は、前職が地元紙・三陸新報記者だ。会見では、記者の経験を生かし、防潮堤や災害危険区域などの写真をスライドに豊富に並べた。

 震災後、「海と生きる」をキャッチフレーズにした気仙沼市では、防潮堤整備で海と街が分断されることを懸念する声が高まり、住民が参加する協議の場が設けられた。原型復旧にとどめ、できるだけ海を埋め立てない設計に変えた防潮堤もあった。

 合意形成には時間がかかり、国負担で整備できる今年度までの期限に間に合わない防潮堤もある。しかし、ここで築いた住民のコミュニティーはその後のまちづくりの議論にも生かされたという。

 「ぜひ被災地を訪れてほしい」。今川氏は会見でそう呼びかけた。記者ならばどうするのか。答えは自明だろう。


ゲスト / Guest

  • 福田利喜 / Toshiki FUKUDA

    岩手県陸前高田市議会議長、同議員

  • 今川悟 / Satoru IMAKAWA

    気仙沼市議会議員

研究テーマ:3.11から12年

研究会回数:3

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