2023年01月23日 13:00 〜 14:30 10階ホール
「新型コロナウイルス」(82) 観光再生への道 山田桂一郎JTIC.SWISS代表

会見メモ

※YouTubeでの動画公開期間は終了しました。

 

スイス在住でJTIC.SWISS(スイス日本語インフォメーションセンター)の代表を務める山田桂一郎さんが、「日本経済再生のために観光を活かす!」をテーマに話した。

 

司会 小林伸年 日本記者クラブ企画委員(時事通信)

 

 


会見リポート

長期滞在客増やし収入増へ

原田 健男 (山陽放送出身)

 スイス・ツェルマットでスキー&ハイキングガイドを務め、日本政府の観光カリスマに選ばれている山田桂一郎氏が、質の高い観光で成功しているスイスの例を説いた。

 「スイスは観光だけではない、時計を中心にした精密機械・製薬などで一人当たり高いGDPを誇っている。その理由は強いブランド力だ。スイスの国旗はアーミーナイフにみられるようにそれが付くとブランドになる。ホテルもレストランもまた地元産品も付加価値を付けて年々価格を上げ、リピート客と長期滞在客の多さが高収入に結び付いている」と語った。そして日本の悪い例としてなんと京都を挙げた。

 「京都市は特に観光客数が大幅に伸びた2004年から10年間に、市内生産額は逆に507億円(-0.8%)減っている。サービス業は1018億円(+8.3%)、不動産業は1403億円(+15.5%)伸びたものの、卸売り・小売り業は1575億円(-16.5%)減り、農林水産業も縮小が続いている。観光が地元の観光以外の商売にプラスになっていない。京都は修学旅行等に長く安住しすぎた。京都も京都ネギ等の農産品をレストランの料理により多く使うなどして価格向上を狙い、宿泊も長期滞在客を増やして高収入に結び付けるべき。地元の人が豊かになり、さらに子どもたちが住みやすい街にしなければ、末永い発展につながらない」と述べた。

 山田氏は、観光政策は総合経済対策でなければならないと言う。宿泊・飲食・旅行業以外にも商業・農業・工業等すべての地域の産業の向上につながる必要があるそうだ。

 スイスのツェルマットで働く人の時給は平均4000円という。スイスと同じ資源のない日本も、地元産品の単価を上げ、長く滞在したくなる環境を作れば、製造業等よりも収入増につなげやすいはずだと山田氏は説いた。


ゲスト / Guest

  • 山田桂一郎 / Keiichiro YAMADA

    JTIC.SWISS代表

研究テーマ:新型コロナウイルス

研究会回数:82

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