2022年08月22日 16:00 〜 17:30 10階ホール
「雇用問題研究会」(3) 山本恭子・日本電信電話株式会社執行役員総務部門長

会見メモ

日本電信電話株式会社(NTT)はグループの主要7社の約3万人を原則在宅勤務とし、出社の場合は出張扱いにするという徹底したリモートを7月から導入している。

人事制度改革を担当する執行役員総務部門長の山本恭子さんが登壇し、ジョブ型雇用の拡大などNTTが進める人事制度改革の背景と狙い、改革の方向性などについて話した。

 

司会 竹田忠 日本記者クラブ企画委員(NHK)


会見リポート

リモート軸に人の成長促す

鈴木 穣 (東京新聞論説委員、社会保険労務士)

 コロナ禍で中断していた雇用問題研究会の再開第一弾は、リモートワークを働き方の原則に決めたNTTの山本氏にその狙いを聞いた。

 NTTは昨年9月、分散型ネットワーク社会を見据えた「新たな経営スタイル」を発表した。その目玉として話題となったのがリモートワークを基本とする働き方の導入だ。

 国内19万人の社員のうち約3万人がこの働き方に手を挙げた。デジタル化の変化に対応しようとするものだが、働く場所を自ら選べることで子育てや介護などライフスタイルに合わせた働き方ができる。今年7月からスタートしたが、単身赴任者が減少したという。

 「コスト削減が狙いではない。企業が成長するには人材の同質性を変えるためのダイバーシティの推進が求められる。リモートワークも多様な社員が働ける環境整備の一環」

 背景には「人こそ競争力の源泉」との人的資本経営の発想がある。「人が成長することで企業が成長する。それがまた人を成長させる」と意義を語った。

 原則リモートワークに関心が集まっているが、人の成長を促すために管理職へのジョブ型雇用を取り入れた人事制度とセットになっている。

 職務の役割や価値を明確化して人材配置や育成をすることでより企業戦略に即した人材の確保を狙う。「これまでは人に合わせて職務を担ってもらう適材適所でやってきた。これからは戦略実現に必要な職務・役割を定義して人材を充てる『適所適材』に変える。会社の実行力を高め、社員のチャレンジ機会を拡大させるための制度導入」と言う。

 ただ、降格人事もある。新人事制度定着には年次・年功から実力主義への転換や業績と連動した報酬制度への理解、人材の多様性確保への意識改革が大きな課題だとも認める。

 日本企業の新しい働き方をリードできるか今後も注目したい。


ゲスト / Guest

  • 山本恭子 / Kyoko YAMAMOTO

    日本電信電話株式会社執行役員総務部門長

研究テーマ:雇用問題研究会

研究会回数:3

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