会見リポート
2021年11月15日
10:00 〜 11:00
10階ホール
大谷翔平選手 会見
会見メモ
米メジャーリーグ、ロサンゼルス・エンゼルスの大谷翔平選手が会見した。
メジャー4年目の今年は投手として9勝を挙げ(チーム1位の勝ち星)、打者として46本塁打という成績を残した。
司会 宮内正英 日本記者クラブ企画委員(スポーツニッポン新聞)
名取広紀 日本記者クラブ企画委員(報知新聞)
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会見リポート
60近い質問 一つ一つ丁寧に
山本 脩太 (NHKアメリカ総局)
日本中が注目したその会見はシーズンオフの受賞ラッシュが続くさなかに行われた。大リーグ、エンゼルスの大谷翔平選手。日本記者クラブでは3年ぶりとなった会見で歴史的なシーズンを振り返り、「打てなかったり打たれたりして落ち込む時期もあったが、落ち込むことも含め、いい1年だった」と語った。
改めて言うまでもないが、大谷選手は今季、現代野球では例のない投打の二刀流でシーズンを駆け抜けた。投手として9勝、156奪三振、打者としてホームラン46本、100打点、26盗塁をマークし、オールスター戦では史上初めて投打で同時出場。オフには2001年のイチローさん以来、日本選手で20年ぶりにリーグMVPを受賞した。三冠王に迫る活躍を見せたブルージェイズのゲレーロJr.選手を寄せつけず、全米野球記者協会の記者30人全員が大谷選手に1位票を投じた「満票」での受賞は、その歴史的な意味を物語るものだった。
この歴史的なシーズンを終えた大谷選手を取材しようと会見場を訪れた報道陣は100人余り。惜しくも抽選に漏れて会場に入れなかった200人ほどがオンラインで参加し、コロナ禍らしいハイブリッド方式の会見は行われた。私は今季、幸運にも現場で大谷選手を取材する機会を得たが、シーズン中の試合前後の会見などはすべてオンラインで実施されていたため、対面での取材は7月のオールスター戦以来、4カ月ぶりだった。
大谷選手は冒頭の挨拶で「メディア各社の皆さまから多くの要望を頂いてはいたが、1社1社お応えするのは時間的にも厳しかった。今日は少しでも質問に答えられれば嬉しい」と私たちへの気遣いを述べた。プレーそのものだけでなく、グラウンド上でゴミをさっと拾う姿や、誰に対しても謙虚さを忘れない大谷選手らしい言葉だった。
貴重な会見の機会とあって質問は野球に関するものだけでなく、税制や結婚の話など多岐に渡ったが、大谷選手は合計60近くに及んだ質問すべてに、一つ一つ真摯に丁寧に答えた。右ひじや左ひざのケガに苦しんだここ数年を振り返り、今季に臨むにあたっては「これからそんなに多くのチャンスをもらえるわけではない」という気持ちで臨んでいたことも明かした。そして「チームも苦しい状況が続いていたので、勝ちたいという気持ちは毎年高くなっている」と語り、ワールドチャンピオンへの強い思いものぞかせた。来季はポストシーズンの舞台で投打に躍動する姿を期待せずにはいられない、濃密な1時間となった。
ゲスト / Guest
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大谷翔平
米メジャーリーグ、ロサンゼルス・エンゼルス選手