2020年03月27日 11:00 〜 12:00 10階ホール
孔鉉佑・駐日中国大使 会見

会見メモ

孔鉉佑・中国大使が登壇し、中国における新型コロナウイルス対応の現状などについて話した。

司会 坂東賢治 日本記者クラブ企画委員(毎日新聞)


会見リポート

「感染拡大は基本的に遮断」

森 保裕 (共同通信社論説委員)

 中国湖北省武漢市で感染が始まった新型コロナウイルスはグローバル化の中、猛スピードで世界中に広がり、人類全体の脅威となった。孔鉉佑大使は「中国は世界の公衆衛生上の安全保障への責任を果たす」と述べ、国際社会と協力して、世界的な感染対策に尽力したいとの中国政府の方針を強調した。

 孔氏は「風雨同行」と揮ごうし、特に日中協力を呼び掛けた。

 新型コロナウイルス対策について「習近平国家主席の直接指揮の下、徹底的な抑制措置を取った結果、感染拡大は基本的に遮断できた」と国内の成果を紹介。また、中国政府が7万件余りの確定症例を公表し、世界保健機関(WHO)に現地調査を要請するなど世界への情報公開に努め、WHOに寄付金を出したり、感染者が急増したイタリアやイランなどに専門家を派遣したりした実績を列挙した。

 また、中国経済への「深刻な影響」を認めながら、「経済、社会活動は正常に戻ってきている」と「終息後のリバウンド」に自信を示した。

 物資の提供など日本からの支援については「中国の国民は心に銘記した」「両国の絆は深まった」と謝意を表明。新型コロナの感染拡大で延期された習氏の国賓来日について、孔氏は「実現に向けて外交当局間で連絡を続けたい」と述べた。

 また、米中関係の重要性を強調しながらも「新型ウイルスの発生源がどこか、各国専門家の定説はない」として、ウイルスに武漢や中国の地名を冠して中国の責任を追及しようとした米国を強くけん制した。

 初動遅れの指摘には「新しい感染症への認識は非常に限られているが、感染状況の変化に基づき、科学的に政策を見直してきた」と釈明。通信アプリで肺炎発生を知らせた武漢市の李文亮医師(新型肺炎で死亡)が警察当局から処分を受けたことについて、孔氏は「地方のやり方は万全とは言えない。われわれは李氏の警鐘を高く評価している」と地元当局の情報統制の誤りを認めた。


ゲスト / Guest

  • 孔鉉佑 / Kong Xuanyou

    中国 / China

    駐日中国大使 / Ambassador

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