2019年12月24日 13:30 〜 15:00 10階ホール
「<表現の不自由展・その後>のその後」(4) 津田大介・「あいちトリエンナーレ2019」芸術監督

会見メモ

「あいちトリエンナーレ2019」の芸術監督を務めた津田大介氏が会見し、この問題の経緯やその後の議論を踏まえて自身の考え方について語った。

 

司会 瀬口晴義 日本記者クラブ企画委員(東京新聞)


会見リポート

「大村知事でなければ展示できなかった」

桜井 泉 (朝日新聞社オピニオン編集部)

 「あいちトリエンナーレ」検討委員会の最終報告は、「表現の不自由展・その後」が抗議や脅迫で中止となった判断や警備態勢についての検証をおざなりにする一方、運営に関する「津田批判」であふれている。

 「ジャーナリストとしての個人的野心を芸術監督しての責務より優先させた可能性」まで指摘された津田さんは、はらわたが煮えくりかえる思いだろうが、極めて冷静な語り口で振り返った。実行委員会会長の大村秀章・愛知県知事については「大村さんでなければ、社会的、政治的に内容が充実した、とがった展示はできなかった」とエールを送った。

 検討委員会は今後の態勢について「会長は民間からとし、芸術監督は会長に従う」「キュレーターと監督が対立したら、作品は展示しない」ことも提言した。個性的な人物は二度と芸術監督にせず、「無難な作品」を並べたいということだろう。津田さんは「強固な意思を感じる。芸術監督は企画の最終決定権がないのに責任だけ負わせられる。引き受け手がいるのだろうか」と疑問を呈した。

 津田さんは、メディア報道にも強い不満があるようだ。平和の少女像や昭和天皇を扱った作品を念頭に「脅迫されるような展示をする側も悪い」という批判が一部で起きた。「10年前、5年前なら抗議はあっても、問題なく展示できたと思う。しかし現政権が表現に対して露骨に介入するようになり、抗議や圧力が増えてきた」と述べ、こうした点を踏まえて報道すべきだと主張した。

 また「公金を使うのだから表現が規制されて当然」という政治家らの議論については、「メディアが異論を述べるべきだが、あまりそういう論調になっていない」と語った。

 権力を監視するという本来の役割をきちんと果たさないメディアに対する津田さんの不満を、私たちはきちんと受け止めるべきだ。


ゲスト / Guest

  • 津田大介 / Daisuke Tsuda

    日本 / Japan

    「あいちトリエンナーレ2019」芸術監督 / artistic director of the Aichi Triennale 2019

研究テーマ:<表現の不自由展・その後>のその後

研究会回数:4

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