2019年10月28日 13:30 〜 15:00 10階ホール
「トランプ政権と対峙する米メディア NYからの報告」ジャーナリスト 津山恵子さん

会見メモ

ニューヨーク在住16年で米メディアの現状に詳しい津山恵子さん(元共同通信)が、トランプ政権と米国のメディアの関係、新聞・テレビのデジタル化への対応の現状などについて話した。

 

司会 土生修一 日本記者クラブ事務局長


会見リポート

「受難の時代」に新たな動き

長野 宏美 (毎日新聞社社会部副部長)

 注目度の高さは、10階の記者会見場が埋まったことにも表れていた。ニューヨーク在住16年。2017年から3年連続で登壇し、米国のトランプ大統領とメディアの現状を紹介してきた。

 トランプ氏の就任以来、米国ではますます分断が進む。この状況を生んだのはメディアが先か市民が先か? 「読者が分極」の例がいくつもあるという。メディアへの信頼度は民主党員は76%だが、共和党員は21%で大きな差がある。リベラルは良き理解者かというと、要求も高いようで、異なる意見を許さない。ニューヨーク・タイムズ紙に気候変動の科学的根拠を疑問視するコラムが載ると、不買運動が起きた。

 メディアは大統領や市民から敵視され、受難の時代を迎えている。だからこそ、ライバル社との協力など新たな動きが出ている。

 大統領への質問の仕方の変化が興味深かった。トランプ氏が質問に答えなければ、他の記者が同じ質問を繰り返し、説明を求める。国民の代表として、政権批判すべき時に共闘しているという。

 来年の大統領選に向けた報道の変化も紹介した。「トランプ当選」を読めなかった16年の反省から、大手テレビ局などは地方メディアでリストラされた記者を雇い、地元の空気を探っている。

 取材する側もされる側もソーシャルメディアを駆使し、舞台はますますデジタルに。記者教育でもデジタルスキルが重視されているという。

 「私も苦手なところだが」と言って、披露された揮毫には「記者を宣伝する」。SNSで記事を宣伝し、読者に仕事を理解してもらうのが重要だという。取材過程や記者の顔が見えることが信頼につながるのだろう。トランプ氏によってメディア不信があらわになったが、読者とつながり、その声に耳を傾けるという前向きな機会になったととらえたい。


ゲスト / Guest

  • 津山恵子 / Keiko Tsuyama

    ジャーナリスト / Journalist

研究テーマ:トランプ政権と対峙する米メディア NYからの報告

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