2019年07月30日 10:30 〜 11:30 10階ホール
横尾宣政氏(オリンパス粉飾決算事件被告) 会見

会見メモ

 オリンパスの巨額損失隠し事件で金融商品取引法違反ほう助などの罪で起訴され、有罪(懲役4年)が確定した横尾宣政氏が8月14日の収監を前に登壇した。自身の経験をもとに、ゴーン事件でも注目された「人質司法」ともいわれる長期勾留など、経済事件の取り調べや審理の問題点について話した。

 会場には横尾氏の家族や「横尾宣政さんの再審無罪を支援する会」の発起人代表・細野祐二氏も出席した。

 

司会 瀬口晴義 日本記者クラブ企画委員(東京新聞)


会見リポート

収監直前、無罪訴える/勾留966日、人質司法批判

岡 大介 (毎日新聞社特別報道部)

 オリンパスの巨額損失隠しで旧経営陣に協力したとして、金融商品取引法違反ほう助罪などで実刑判決が今年1月に確定し、8月14日に収監を控えたなかでの記者会見だった。否認する被告を長期勾留する手法は、日産元会長のカルロス・ゴーン被告の処遇を巡り「人質司法」と非難されたが、横尾氏も「精神的重圧を与えて自白させようとしている」と批判した。逮捕後、一貫して否認を続け966日も勾留された人の言葉だけに、重みを感じた。

 野村証券OBの横尾氏は、オリンパス財務担当者から運用による損失の存在を打ち明けられ、簿外融資してくれる外国銀行(LGTリヒテンシュタイン銀行)を紹介し、関連ファンドの資金を移動させるなど事件に関与したとして懲役4年の実刑判決を受けた。

 ただ、横尾氏がオリンパスにLGT銀行を紹介したと刑事裁判で認定された東京・六本木での会食より前にLGT銀行がオリンパス側と接触し、融資の審査を終えていたことが、関連する民事訴訟で発覚。民事判決は横尾氏の紹介はなかったと認定し、検察側の筋書きの一部は崩れている。また、損失隠しに絡む送金指示書について、LGT銀行側が横尾氏の署名を勝手に書いた「偽筆」が刑事公判で発覚したものの、判決は一切言及しなかった。

 横尾氏は主にこの2点を根拠に無罪を訴えた。検察の捜査・立証方法についても言及。強引な手法が目立つとして「病的なまでの唯我独尊体質だ」と指摘。裁判所に対しても「(検察の問題に)目をつむっている」と批判した。

 収監前に再審請求することも明かした。経済事件では異例のことだ。再審のハードルは高いが、事件の核心部分で刑事と民事の判断が食い違い、「偽筆」などの問題が残っているのも確かだ。横尾氏の問いかけに司法がどう応えるのか注目したい。


ゲスト / Guest

  • 横尾宣政 / Nobumasa Yokoo

    オリンパス粉飾決算事件被告

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