2019年03月28日 10:00 〜 11:30 10階ホール
「日本の労働を誰が支えるのか」(7) 法務省担当者による新制度ブリーフィング

会見メモ

写真左から、梅原義裕、田中敏之、髙橋洋明、萩岡哲也、伊藤純史の各氏。

 

司会 竹田忠 日本記者クラブ企画委員(NHK)


会見リポート

「共生社会」の根本理念不透明

大島 隆 (朝日新聞政治部次長)

 外国人労働者の受け入れを拡大する改正入管法が4月1日に施行された。筆者は5000人弱の住民の半数以上が外国人という埼玉県川口市の芝園団地に住んでおり、記者であると同時に一人の住民としても関心を持ち、今回の法務省担当者によるブリーフィングに出席した。

 法務省担当者の説明は①新たな在留資格「特定技能」など、外国人労働者を受け入れる新制度②政府が取りまとめた「外国人材の受け入れ・共生のための総合的対応策」、が主な内容だった。

 質疑では、悪質なブローカーの排除、失踪や賃金不払い対策に関する質問が出て、法務省担当者からは「新制度は現行の技能実習制度の問題点を踏まえた制度設計をしている」という発言があった。一方で、外国人労働者の都市偏重の回避策など、今回の説明でもなお、実効性への懸念が残る点もいくつかあった。また、各地に置く「多文化共生総合相談ワンストップセンター」の自治体からの申請が予定を大きく下回っていることなどから、「急ぎすぎたことが影響したのでは」という指摘も出た。

 「総合的対応策」に関しては、外国人の生活支援策などについて説明があり、法務省担当者は「政府一丸となって共生社会の実現に取り組む」と話した。

 筆者が国会審議などで最も気になったのは、日本が目指す「共生社会」とはどういう社会か、その根本理念に関する議論が欠けている点だ。

 たとえば、これまでの多くの技能実習生のように、外国人住民が地域社会やそこで暮らす日本人とほとんど接点を持たない状態は、共生社会と言えるのか。生活支援は必要だが、外国人が不便なく暮らせることイコール「共生社会」ではない。

 その意味では、新たな制度の運用面での課題と同時に、議論されていない課題の大きさを改めて考えさせられたブリーフィングだった。


ゲスト / Guest

  • 伊藤純史 / Junji Ito

    日本 / Japan

    法務省入国管理局入国在留課審査企画室、調整官

  • 萩岡哲也 / Tetsuya Hagioka

    日本 / Japan

    法務省入国管理局入国在留課審査企画室、局付

  • 髙橋洋明 / Hiroaki Takahashi

    日本 / Japan

    法務省入国管理局総務課企画室、調整官

  • 田中敏之 / Toshiyuki Tanaka

    日本 / Japan

    法務省入国管理局入国在留課在留管理業務室、法務専門官

  • 梅原義裕 / Yoshihiro Umehara

    日本 / Japan

    法務省入国管理局入国在留課、補佐官

研究テーマ:日本の労働を誰が支えるのか

研究会回数:7

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