2019年02月15日 16:00 〜 17:30 10階ホール
「統計不正問題の深層」(1) 久保利英明弁護士

会見メモ

久保利英明弁護士が第三者委員会のあり方について話し、厚労省の特別監察委員会については中立性、独立性を疑問視、解散すべきと批判した。

 

司会 竹田忠 日本記者クラブ企画委員(NHK)

 

久保利英明弁護士(日比谷パーク法律事務所)

第三者委員会報告書格付け委員会


会見リポート

特別監察委は解散すべき

河野 博子 (会報委員 読売新聞社出身)

 「統計不正問題の深層」会見シリーズ1回目は、第三者委員会の第一人者、久保利英明弁護士を迎えた。

 日弁連の「企業等不祥事における第三者委員会ガイドライン」をまとめた久保利氏は、第三者委員会は「会社の従業員、客、消費者、株主、経営者を含むオールステークホールダー」のために活動する、と強調した。

 「第三者委員会は多くの場合、弁護士で構成される。しかし、被告人の弁護人、会社の代理人など依頼者の利益のために行う通常の活動とは違うはずだ」。金融庁や証券取引等監視委員会関係者からのこうした指摘があって、ガイドライン作りが始まったという。独立性、中立性、主体性、自立性の確保が必須。報告書が不祥事を起こした企業の再生復活につながった事例や、かつて厚生年金記録の改ざん問題で厚生労働省が設けた調査委員会では、事務局機能も役所側に任せなかったなど具体的な実例が示された。

 久保利氏は、厚労省の「特別監察委員会」は「解散するべき。あらゆる点から考えて、適格性がない」と断じる。そして、「統計問題の被害を受けているのは実は国民であり、その前段階としては国会。立法府として行政府からインチキな統計を見せられた。だったら何が起きたかの検証は立法府がやるべきこと」と主張する。

 久保利氏自身は、隠れみのとしての名ばかり第三者委員会が乱立し、報告書も公表しないなどの現状に業を煮やし、任意団体を作って第三者委員会の「格付け」を行っている。

 「会社の役員に対しては株主代表訴訟があるが、国の役人の不正を問う仕組みはない。結局、国家公務員の天国みたいな感じで、隠れて逃げ回っているのが得ということになってしまう。そんな国なんです」。質疑応答では、こんな心情も吐露した。

 「なんとかしなければ。せめて国会議員に取り組んでもらうか、国民が頑張って何をやれるかだと思う」。耳が痛い。考えさせられた。


ゲスト / Guest

  • 久保利英明 / Hideaki Kubori

    日本 / Japan

    弁護士 / attorney at law

研究テーマ:統計不正問題の深層

研究会回数:1

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