2018年12月14日 14:30 〜 16:00 10階ホール
「平成とは何だったのか」(15) 平成政治、そして国会改革

会見メモ

登壇者(五十音順):

小泉進次郎議員(神奈川県11区、当選4回)

小林史明議員(広島県7区、当選3回)

福田達夫議員(群馬県4区、当選3回)

村井英樹議員(埼玉県1区、当選3回)

 

写真左から 福田、小林、村井、小泉 の各議員

 

司会 倉重篤郎 日本記者クラブ企画委員(毎日新聞)


会見リポート

国会改革、一歩を踏み出したい

坂本 英二 (日本経済新聞社編集委員兼論説委員)

 平成の後半に当選した議員4人は、個性も専門分野もかなり異なる。「人生100年時代の選択できる社会保障」の提言で注目を集め、最近は国会改革に力を入れている。日本が取り組むべき優先課題は何なのか。今の政治への問題意識をそれぞれの視点で熱っぽく語った。

 口火を切った小泉氏は、父・純一郎氏の首相就任に触れて「平成は国民の力とリーダーの力が善くもあしくも響き合う要素が大きくなった時代だ」と指摘。同時に「選挙改革で小選挙区制度となり、行政改革で省庁再編が行われた。取り残されたのが国会改革だ。平成のうちに一つでも前に進めたい」と語った。

 村井氏は「平成は消費税の時代。元年に消費税が導入されてから30年間、経済も財政も政治も社会保障も消費税という魔物に翻弄されてきた」と振り返った。「75歳まで働いて当たり前の経済を作ることで、幸せと社会保障の持続可能性を両立させていく。これこそがポスト平成の『第3の道』だ」と強調した。

 小林氏は「平成はインターネット文明が開花した。そこから圧倒的にテクノロジーが進展したのに対し、政策決定は間に合わなかった」と言及した。情報通信の安全性をめぐる米中間の摩擦に関連して「国と民間と個人が自由にデータをやり取りできる信頼のおけるプラットフォームが日本のとるべきこれからの国家戦略だ」と述べた。

 福田氏は政策論と少し離れて日本社会への独自の見方を話した。「1990年代の前半は、イージーに稼げて右肩上がりだった昭和に戻りたかった。そして後半は覚悟しないといけないと思いながら、政治が『大丈夫ですよ。何とかしますから』と言ってきた」と指摘した。他の議員より一回り年長で、実感を伴った冷静な分析だと感じた。

 冒頭の発言で各氏の時代認識はよく分かったが、いま提案している国会改革での「党首討論の定例化」や「ペーパーレス化」などとどう結びつくのか疑問が残った。

 そこを問われた小泉氏は待ってましたとばかりに力説した。「国会改革は『合意すれども実現されず』の歴史だ。負け癖が染みついており、どんなに小さくても与野党が一緒に何かを形にした成功体験が必要だ。大きな改革をする第一歩」

 「安倍1強」の政治状況が続いても、長期的な視野で熱心に発言する議員は与野党双方にいる。そうした活動を国民にきちんと伝えていく責任を思い出させる記者会見だった。


ゲスト / Guest

  • 小泉進次郎 / Shinjiro Koizumi

    日本 / Japan

    衆議院議員 / Member,House of Representatives

  • 小林史明 / Fumiaki Kobayashi

    日本 / Japan

    衆議院議員 / Member,House of Representatives

  • 福田達夫 / Tatsuo Fukuda

    日本 / Japan

    衆議院議員 / Member,House of Representatives

  • 村井英樹 / Hideki Murai

    日本 / Japan

    衆議院議員 / Member,House of Representatives

研究テーマ:平成とは何だったのか

研究会回数:15

ページのTOPへ