2018年10月22日 15:00 〜 16:30 10階ホール
国際資源パネル 会見

会見メモ

10月23日から開催される国際資源パネル第23回会合(~26日、横浜)の前日に、発表予定の、製造業における資源の有効活用に関する報告書について、パネルメンバー2名が説明した。

左=ポトッキック氏、右=ナスル氏

 

国際資源パネル webサイト

環境省 webサイト

 

司会 上田俊英 日本記者クラブ企画委員(朝日新聞)

通訳 大野理恵


会見リポート

資源循環とビジネスチャンス

 国際資源パネル(IPR)のことを知る人は多くはないだろう。プラスチックごみ汚染などで注目を集めるリサイクルなど、資源循環の問題を扱う科学者が集まる国際組織で、2007年に発足した。二酸化炭素を出さない「脱炭素社会」と並んで、今の人類が目指すべき「循環経済社会」作りに向けた提言などを行う「気候変動に関する政府間パネル(IPCC)」の資源問題版だ。横浜市での会合を前に2人のメンバーが、天然資源の大量使用と大量廃棄に支えられた現代の経済が、地球環境の許容量という限界に直面していることを警告し、地球上にある資源を可能な限り、循環させて使うことで、経済成長と環境汚染のつながりを断ち切ること、「デカップリング」の重要性を指摘した。

 企業が製品のデザインを変え、リサイクルを徹底し、使用可能なのに捨てられる部品の再利用などを徹底すれば、自然界から採取する資源の量を大幅に減らす一方で、二酸化炭素の排出量を79~99%も減らすことができる、との最新の研究成果も紹介された。「循環経済の実現は、パリ協定が目指す脱炭素社会の実現にも欠かせないアプローチだ」とのメッセージは傾聴に値する。

 講演の中の興味深いキーワードは、実際の寿命が来る前に新製品などが市場に出たために廃棄される製品から、使える部品などを取り出し、新品同等の品質によみがえらせ、再び市場へ供給する「リマニュファクチュアリング」という概念だ。その実現は、生産者にとっても、消費者にとっても、そして地球環境にも大きなメリットがある。低炭素社会への取り組み同様、循環経済への先進的な取り組みの中にも、大きなビジネスチャンスがあるとの認識を深めた会見だった。


共同通信社編集委員  井田 徹治

ゲスト / Guest

  • ジャネス・ポトッキック / Janez Potočnik

    国際資源パネル / International Resource Panel

    共同議長 / co-hair

  • ナビル・Z.・ナスル / Nabil Z. Nasr

    国際資源パネル / International Resource Panel

    パネルメンバー / panel member

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