2018年03月28日 14:00 〜 15:00 10階ホール
平昌冬季パラリンピック金メダリスト 村岡桃佳選手 会見

会見メモ

平昌冬季パラリンピックのチェアスキーで、メダル5個(金=大回転、銀=滑降、回転、銅=スーパー大回転、スーパー複合)を獲得した村岡桃佳選手(早稲田大学)が会見した。平昌大会を振り返り、「5種目全てでメダルを取れるとは思っていなかった」と、自分でも予想しなかった好成績だったことを明かした。2022年の北京大会でも「今回以上の結果を残したい」と意欲を見せた。

 

 

司会:森田景史 日本記者クラブ企画委員(産経新聞社論説委員)


会見リポート

先輩の激励でメダル量産 パラ盛り上げに貢献したい

野村 隆宏 (毎日新聞社オリンピック・パラリンピック室長)

 カメラマンのリクエストに応じてポーズを取るのも簡単ではない。首にかけた金メダルのほか、銀、銅各2個まで掲げると顔が隠れてしまいそうになる。冬季パラリンピックで計5個のメダルを獲得。日本人で史上最多という快挙だった。「いい結果を残せてうれしいけど、『残せすぎた』という気もします」。女子アルペンスキー(座位)の頂点に立った気持ちを、ほほ笑みとともに控えめに語ってくれた。

 21歳の若さだが、パラリンピックは2度目の挑戦。まず最初の滑降で銀メダルを獲得し、最高5位だった前回の雪辱を果たした。「4年間、頑張ることができたんだ」と感慨が胸に湧いたのもつかの間。先輩の男子代表、森井大輝選手から「桃佳ならあと2段階ギアを上げられるよ」と言われて自信が膨らんだ。「そうだ。私はまだやれる」と波に乗り、得意の大回転で優勝したのをはじめ、メダルの量産につなげた。

 病気のため4歳から車いすに乗り始めた。生来の活発さが影を潜め、いつしか部屋遊びばかりの引っ込み思案な子どもになっていたという。そんな自分を再び元気にしたのが、父に連れられて始めた車いすのスポーツだった。「同じような境遇の友人ができて(周囲への)引け目を感じなくなった。スポーツによって、私は明るくなったし、積極的になったんです」

 だから障害者スポーツを盛んにしたいという思いは強い。平昌で得た知名度も、そのために生かしたい。「たくさん報道をしてもらって、地元で声をかけてくれる方が増えました。きょうはまさかの都内でも(笑)。私の存在を知ってもらうことが、パラリンピックを知ってもらうきっかけになったら」。出席の記者たちに、そう語りかけた。


ゲスト / Guest

  • 村岡桃佳 / Momoka Muraoka

    日本 / Japan

    チェアスキー選手/平昌冬季パラリンピック金メダリスト / gold medal winner in the women's alpine skiing giant slalom at the Pyeongchang Winter Paralympics

ページのTOPへ