2017年12月21日 13:30 〜 14:30 10階ホール
「どうなる野党」(3) 枝野幸男 立憲民主党代表 会見

会見メモ

どうなる野党 (3)

 「党勢拡大より国民との約束を実現させることに力を注ぐ」。民進党系勢力との連携を問われるたびに、この姿勢を強調した。希望の党との連携は「あり得ない」としつつ、選挙協力については「我々は市民連合の呼びかけに応じる。希望の党が同様に応じるなら・・・」と可能性は否定しなかった。

 

司会 平井文夫 日本記者クラブ企画委員(フジテレビ)

 

(下記の会見リポートは、岡田克也・無所属の会代表・民進党常任顧問12月20日玉木雄一郎・希望の党代表12月22日との統合版です)


会見リポート

野党再建は「一歩一歩」

 最大野党だった衆院選前の民進党から道を違えた野党リーダー3人の連続会見。浮き彫りになるのは、今なお尾を引く「解党騒動」のダメージの深刻さと、野党再建の難しさだ。

 

■大きな塊を創る(岡田氏)

 

 小選挙区制導入を柱とする政治改革を掲げて1993年に自民党を飛び出し、対抗政党作りに懸けてきた岡田克也氏(64歳)。「政権交代のある政治を創ると唱えてきた。それが一瞬にして崩れた喪失感があるが、もう一回頑張る」と述懐した。この窮状で自任するのは「一歩引いたところで、しっかり支える役割」だ。

 

 旧民主党・民進党の失敗の本質に触れては「自由な議論で決まった方針には皆が従う」「代表が誰であれ、選んだら皆で支える」ができなかったこと、と政党ガバナンスの未熟を挙げた。

 

 「3党が1つの党になるのはハードルが高い」としつつ「本気で政権を取りに行く気があれば、お互い我慢できる。次の参院選に向けて大きな塊を創る覚悟が大事だ」と訴えた。まず国会内統一会派を目指し、参院選では「比例代表の統一名簿などのさまざまなアイデアがある」と説いた。

 

 安倍晋三首相が自民党総裁3期目の2021年まで続投すれば、もう一度、衆院解散・総選挙を断行するだろう、と指摘。19年は衆参同日選もありうる、と野党再編を力説した。

 

■候補の一本化には努力(枝野氏)

 

 93年に日本新党から初当選し、旧民主党の結党に加わった枝野幸男氏(53歳)。思えば16年参院選までの民進党は「岡田代表―枝野幹事長」体制だった。岡田氏は「一度じっくり話してみたい」と秋波も送ったが、枝野氏の発言は温度差が大きかった。

 

 衆院選前の「解党騒動」を振り返って「20年来の野党の『大きな塊』論の行き着いた先がこの騒動だと直感し、選挙を通じて確信した」と総括。岡田流の「大きな塊」論に一線を画した。「政権交代が自己目的化し、それを叫ぶほど不信が蓄積した。希望の党の失速は『排除』より民進党が合流を決めたから」と喝破した。

 

 熱弁を振るったのは、新たなパートナー制や、SNS活用など草の根民主主義を旗印とする自党の主体性強化論だ。「現場からの政策の提起や市民的な動きが展開した先に、結果として政権交代が実現できる」という。

 

 「衆院の小選挙区、参院の一人区では野党が候補者を一本化しないと自民党が喜ぶ」と野党候補の一本化には努力する姿勢を示した。ただ、「政党間の取引にはしない」と強調。希望であれ共産党であれ、市民連合などが生活現場から提起する具体的な政策を巡って連携できる場合に限り、一本化に動く方式を提唱した。

 

■統一会派を真剣に検討(玉木氏)

 

 民主党が政権を獲得した09年初当選の玉木雄一郎氏(48歳)。党代表に就いてひと月で「足元を固めるのに時間を費やした。党が銀行から億単位の融資を受けるので、初めて保証人になる。手が震えそうだ」と想定外の急展開への戸惑いものぞかせた。

 

 財務省出身らしく、政策にこだわりを見せた。安全保障法制では、憲法違反と見る部分の法改正を提案。9条改正論議には、自衛権の行使の限界や歯止めを明確にする「護憲的改憲論」の立場から応じると明言した。

 

 「農業や介護の現場は外国人の活用なしにもはや成り立たない。このルール作りに正面から取り組む」などと与党が手を出さない課題を先取りする「未来先取り政党」路線を掲げた。「野党がバラバラではダメだと特別国会で痛感した」と政策や国会対応をすり合わせたうえで、統一会派は「真剣に検討したい」とした。

 

 3日連続会見を締めくくった玉木氏は「失望や失敗を一つ一つ着実に希望に変えていきたい」と述べ、揮ごうは「一歩一歩」。野党再建の道のりの険しさが、四文字ににじんだ。


日本経済新聞社編集委員  清水真人

ゲスト / Guest

  • 枝野幸男 / Yukio Edano

    日本 / Japan

    立憲民主党代表 / Leader, Constitutional Democratic Party of Japan

研究テーマ:どうなる野党

研究会回数:3

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