2017年12月12日 16:00 〜 17:30 9階会見場
カーン 駐日パキスタン大使を囲む会

会見メモ

日本での語学研修、駐日大使館勤務など日本に縁があり、日本語も達者。「外交官として出発した国に大使として戻ってくるのは、外交官にとっては究極のロマンス」と語った。第二次大戦直後には食糧不足に悩む日本にコメを6万トン送った歴史も披露した。「パキスタンにとって、日本は発展や豊かさの点において輝ける星であり続けている」としたうえで、「パキスタンは今後、急激な経済成長が期待され、治安も改善されているのでぜひ来てほしい」と呼びかけた。

 会見後、大使館が用意したチャイとお菓子を楽しむレセプションが行われた(写真右)

 

司会 土生修一 日本記者クラブ専務理事

通訳 森岡幹予(サイマル・インターナショナル)


会見リポート

中国の影に注目、知日派大使の答えは

 2001年の米同時多発テロ以降、「対テロ戦」の最前線となってきたパキスタン。近年は強まる中国の影響力について関心が高まっているが、今年8月に着任したアサド・マジード・カーン駐日大使は「囲む会」で日本との友好関係を強調した。

 

 「みなさん、こんにちは。きょうは日本記者クラブに招待していただきまして、本当にありがとうございます」

 

 カーン氏は開口一番、流暢な日本語であいさつした。外交官として約29年の経験を持ち、日本での留学や勤務経験もある知日派だ。九州大学で博士号(国際経済ビジネス法)も得ている。

 

 「新聞記者の前で話すのは気を付けないといけないので」とあいさつの後は英語に切り替えた。「パキスタンにとって、アジアの星は昔からずっと日本」とたたえ、日本との関係をより深めたいと意気込んだ。さらに治安状況が改善しているとして、ガンダーラ地域の仏教遺跡などにもっと日本人観光客が訪れてほしいと呼びかけた。

 

 参加者が気になるのは、やはり中国との関係だ。習近平政権の対外戦略の柱「シルクロード経済圏構想(一帯一路)」の枠組みの中で、「中パ経済回廊」の整備が進む。回廊の計画には巨額な中国マネーが入っているとされ、また起点となるアラビア海沿岸のグワダル港は中国融資で建設され現在は中国企業が運営するなど、中国の影響力が強まっている。

 

 カーン氏は「純粋に経済的なプロジェクトで、民間資本による」「どちらかにとっての特定の第三国に対抗しようという試みではまったくない」などと説明、回廊が南アジアと中央アジアの結びつきを強め効果的だと強調した。さらに、質問者からパキスタンが中国の植民地のようになっていると指摘もされていると尋ねられると、カーン氏は「パキスタンは人口大国で繁栄をしている民主的な国。核も保有し今後の経済成長も見込まれており、植民地化が実現することはあり得ない」と否定した。


朝日新聞GLOBE記者、元イスラマバード支局長  中野 渉

ゲスト / Guest

  • アサド・マジード・カーン / Asad Majeed KHAN

    パキスタン / Pakistan

    駐日パキスタン大使 / Ambassador of the Islamic Republic of Pakistan

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