2017年11月17日 13:30 〜 14:20 10階ホール
ハガティ 駐日米大使 会見

会見メモ

ハガティ米大使が会見し、トランプ大統領アジア歴訪の成果や日米関係の展望について話した。日本政府がやり取りはなかったと説明していた日米二国間の自由貿易協定(FTA)について「首脳会談で議論した」と明言した。

 

司会 杉田弘毅 日本記者クラブ企画委員(共同通信)

通訳 宮崎有美子/森万純

 

*会見全文が米大使館のウェブサイトに掲載されています。

 英文 和文 


会見リポート

米大統領来日に質問集中

杉田 弘毅 (企画委員 共同通信社論説委員長)

 8月の着任から3カ月での日本記者クラブ登壇は、歴代米大使と比べると早い。しかも実に話し好きでオープンな性格だと分かった。コンサルティング会社の駐在員として1980年代後半に東京で3年間暮らしたことや、共和党の中枢で生きてきた経験、トランプ大統領との近さから、自信を持って記者と向き合えたのだろう。

 

 トランプ大統領の11月初旬の来日に話題が集中した。成功との評価を得たからか、リラックスした様子で語りが進んだ。日本側のブリーフでは議題に出なかったと説明された、日米2国間の自由貿易協定(FTA)について「首脳会談で話し合った」とズバリ発言したので記者団が身を乗り出したし、北朝鮮非核化や中国特使の派遣への期待など、ニュースもいくつか出た。

 

 一方で沖縄県の普天間飛行場の移設問題では、沖縄を着任後2回訪れ熱意を持っていることを紹介したものの、米政府の公式見解を繰り返しただけだった。

 

 興味深かったのは、トランプ氏が安倍首相との共同記者会見で促した、米国製兵器の大量購入。「混乱がある」と切り出し、「貿易赤字の削減」など経済問題が念頭にあるのではなくて、「あくまで安全保障上の必要性から。日本の防衛能力の向上のために先端技術を提供する」と補足説明をしていた。

 

 会場からカードで集めた質問を代表質問として行った後に、実際に挙手をしてもらい司会者が指す2段階の質疑だった。会見時間は50分だったが、合計8問の質問ができた。欧米メディアも2問、聞いた。

 

 会場からは、「トランプ氏は出入国でなぜ羽田空港でなく横田基地を使ったのか。日本の警備が不安だったのか」との質問も出た。「警備に不安があったわけではない。この地域の防衛のために犠牲を払っている米軍と自衛隊の継続的な取り組みに感謝の意を示すためだ。私も横田基地の使用を支持した」との答えだった。


ゲスト / Guest

  • ウィリアム・ハガティ / William Hagerty

    アメリカ / USA

    駐日アメリカ大使 / US Ambassador to Japan

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