2017年08月08日 17:00 〜 18:00 10階ホール
青柳俊彦 JR九州社長 会見

会見メモ

司会 安井孝之 日本記者クラブ企画委員(朝日新聞出身)


会見リポート

危機感と自立主義が原動力

JR九州といえば、2013年秋に開業した高級寝台列車「ななつ星in九州」がすぐに思い浮かぶ。本州を営業地域とするJR東日本、東海、西日本に比べ経営基盤がぜい弱な三島会社のうち唯一上場できたのもJR九州。JR各社のうちユニークな立ち位置を築いた。

 

「九州は域内交通のうち鉄道のシェアは少なく、鉄道だけでは経営が厳しかった」と青柳俊彦社長。乗りたくなる鉄道をどう作るかということから始めた。ななつ星が注目されるが、「D&S」(デザイン&ストーリー)と言われる観光列車の開発は1989年の「ゆふいんの森」が最初で今や11種類の観光列車が走る。

 

拍車がかかったのが04年の九州新幹線の部分開業。「新幹線でやってきた観光客が乗りたくなる列車をつくるという戦略」だったと言う。新幹線で観光客が通過するだけでなく、滞在し、周遊する仕掛け作りだった。その集大成がななつ星だった。

 

新幹線を誘致するだけで安心するのではなく、それをどう生かし、自社の収益源にするかというストーリー性がJR九州の経営にはあったといえる。鉄道事業を乗りたくなる魅力的なものにするとともに、ホテルや飲食事業などの多角化も進めた。民営化した87年に全売上高の81%を占めていた鉄道事業は今では40%を切り、非鉄道事業が60%を超えた。民営化後30年間で経営構造がすっかり変わった。

 

もともと「国鉄」だった会社の体質がなぜ劇的に変われたのか。青柳社長は「このままでは生き残れないとお尻に火がついていた。それと自分たちのアイデアで自分らで取り組もう、としたからではないか」と振り返った。強い危機感がアイデアを生み出し、地元との連携も促した。

 

スピーチの演題は「鉄道と地域振興」だった。JR九州の元気の良さをみると、地方創生には存続への危機感と自立性が大切なことがよくわかる。

 


朝日新聞出身 安井 孝之

ゲスト / Guest

  • 青柳俊彦 / Toshihiko Aoyagi

    日本 / Japan

    JR九州社長 / President, Kyushu Railway Co.

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