2015年06月01日 14:30 〜 16:00 10階ホール
篠田正浩 映画監督 「戦後70年語る・問う」⑯

会見メモ

映画監督の篠田正浩さんが、自身の最後の作品「スパイ・ゾルゲ」(2003年)の場面を使いながら制作の意図、戦後70年に思うことなどを語り、記者の質問に答えた。
※会見中に使った映画の場面は著作権の関係でカットしています。
司会 川村晃司 日本記者クラブ企画委員(テレビ朝日)


会見リポート

「太平洋戦争」で歴史をくくることなかれ

川村 晃司 (企画委員 テレビ朝日コメンテーター)

「私は満州事変の年(1931年)に生まれた」と語り出した篠田監督は小学生でシナ事変を、中学生で大東亜戦争を迎え中学3年で戦争を終えた。満州事変から敗戦までの15年間を、戦後の歴史が「太平洋戦争」とくくるのには違和感があると指摘。その後も、大学時代に朝鮮戦争、映画監督時にベトナム戦争を経験し、監督引退時はイラク戦争の最中であった、と自らの人生と戦争の時代を今日的な課題として振り返った。

 

そして、最後の監督作品となった「スパイ・ゾルゲ」の重要シーンをスクリーンに投影しながら、ジャーナリストが祖国を捨てて、スパイ活動になぜ走ったのか昭和史を検証したかったと、映画制作の動機と時代背景を詳細に説明した。

 

「スパイ・ゾルゲ」は米国・ハーバード大学やエール大学でも試写会と篠田監督の講演が行われ、歴史研究家のジョン・ダワーやアンドルー・ゴードン教授らと手紙のやり取りもした。ドナルド・キーン氏からの手紙は現在、早大演劇博物館に寄贈し、公開されている。


ゲスト / Guest

  • 篠田正浩 / Masahiro Shinoda

    日本 / Japan

    映画監督 / film director

研究テーマ:戦後70年語る・問う

研究会回数:17

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