2015年05月21日 13:15 〜 14:45 9階会見場
山崎拓 元自民党幹事長 「日米安保を考える」②

会見メモ

自民党幹事長、副総裁などを務めた山崎拓氏が、集団的安全保障のあり方などについて話し、記者の質問に答えた。
司会 倉重篤郎 日本記者クラブ企画委員(毎日新聞)
ホームページ


会見リポート

これを見ずして論じるな

倉重 篤郎 (企画委員 毎日新聞専門編集委員)

自民党国防族のボスであり、今や数少ない保守リベラルの政治家が、これ以上は見ておれんと、新安保法制の問題点を多岐にわたり指摘した。

 

まずは、昨年7月の集団的自衛権行使容認の閣議決定について。本来は国民投票に付すべきものを時の政権が自由解釈することは法治国家の前提を揺るがす、として、これを所与のものとして扱い始めている国会論議に対し警鐘を発した。

 

次に、集団的自衛権行使の対象を「我が国と密接な関係にある他国」とする政府文書の曖昧さに疑義を呈し、論戦での明確化を強く求めた。

 

山崎氏の最大の強調点は、一連の指針、新法制が本来は北朝鮮の核装備や中国の海洋進出への抑止力向上を目的にしたものであるはずなのに、いつの間にか世界中に自衛隊を派遣して米軍の後方支援をさせる法制になっていることだ。これは条約の範囲を極東としている日米安保条約の事実上の改定であり、集団的自衛権不行使の代償措置であった基地提供義務の根拠も薄くなる、という。

 

このほか、後方支援活動のリスク、増大する防衛予算など重要事項の議論が欠落している、と一刀両断。国会をまたぐ慎重審議の重要性を強調した。自民党議員にはぜひ会見詳録を読んでほしい。


ゲスト / Guest

  • 山崎拓 / Taku Yamasaki

    日本 / Japan

    元自民党幹事長 / former vice president, Liberal Democratic Party

研究テーマ:日米安保を考える

研究会回数:2

ページのTOPへ