2013年10月02日 12:30 〜 14:00 10階ホール
田中明彦 JICA理事長

会見メモ

「躍動する2つの大洋 国際政治と開発援助の現場から」をテーマにスピーチし、就任から1年半の活動を振り返った。経済動向などからみれば、21世紀はインド洋と太平洋の時代になると考える。それをふまえ日本がどのようにこの地域と関係強化していくかが、JICAにとっても重要な課題になると話した。

司会 日本記者クラブ企画委員 小栗泉(日本テレビ)


会見リポート

「2つの海洋の時代」到来

笹島 雅彦 (読売新聞調査研究本部主任研究員)

国際政治学の第一人者から、国際援助の現場を統括する立場に転じて1年半。緒方貞子前理事長から後を引き継いだ直後、当クラブで記者会見を開いて以来、久々の再登場である。


就任当初、「国際援助を通じ、世界を元気にすることで、日本を元気にしたい」と抱負を語っていた田中さん。今回は、この1年半で世界33カ国を訪問した経験をもとに、パワーポイント上の写真や地図、グラフなどを駆使しながら、熱弁。「21世紀はインド洋と太平洋という2つの海洋の時代」というキーワードを使って、世界情勢と日本の対外援助戦略を説明した。


特に興味深かったのは、世界の成長センターを地図上でみると、インド洋と太平洋を取り囲むようなアジア、アフリカ、南米の国々にシフトしていることだ。そこに、内戦を抱え、治安情勢が悪い国といった、いわゆる「脆弱国」の地図を重ね合わせてみると、その成長地域に隣接していることがわかる。インド洋・太平洋を囲む国々の発展を促し、そうした不安定性を縮小するために、日本は何をすべきか。地球規模の視野に立った分析に、わくわくさせられ、元気をもらった思いがした。


ゲスト / Guest

  • 田中明彦 / Akihiko Tanaka

    日本 / Japan

    国際協力機構(JICA)理事長 / President of Japan International Cooperation Agency (JICA)

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